セクハラ・パワハラの心理を徹底分析〜サイコパスの「真実」を明かす

身近に潜む「マイルド・サイコパス」
原田 隆之 プロフィール

「マイルド・サイコパス」にどう対処するか

一連のハラスメント事案を見るにつけ、一旦事件が明るみに出ると、企業や組織に対するダメージが著しく大きくなる。

冒頭でも述べたように、社内研修や教育だけで、こうした人々に対処することは難しい。

そもそも人の権利を侵害し、無責任に行動し、共感性や罪悪感などが備わっていないのが彼らの特徴であるから、いくら知識を与えても、効果がないのである。

啓発によって意識を高める効果があるのは一般的な人々だけであって、一番のリスクグループである「マイルド・サイコパス」には、まさに馬の耳に念仏に終わってしまう。

〔PHOTO〕iStock

では、彼らにはどのように対処すればよいのか。

残念ながら、現時点で効果的な対処法はない。

サイコパスの原因の多くは、脳の機能的な障害であるとわかっており、それを治療する方法は、今のところない。

心理療法を行った場合、逆効果になったという研究すらある。

 

近著『サイコパスの真実』では、これまで論じてきた「マイルド・サイコパス」のほか、犯罪的サイコパスについても分析し、その原因、対処、治療についても解説した。

サイコパスは、ホラー映画や犯罪小説のなかだけにいるのではなく、われわれの社会にも確実に存在して、さまざまな害を与え続けている。

サイコパスの真実を知り、その対策を検討することは、繰り返されるハラスメント事案だけでなく、多くの社会的な害を防ぐためにも今後一層重要になってくるだろう。

1 Hare RD. Without Conscience. Guilford Press. 1993.
2 Mathieu C. Babuak P. Pers Indiv Differ. 2016; 91.
3 Boddy CR. J Bus Ethics. 2011; 100.
4 Babiak P, Neumann CS, et al. Behav Sci Law. 2010; 28.

関連記事