朝鮮半島の平和条約は「日本の不幸」になるという悲劇的な現実

隣に核経済大国ができることの意味とは

米国は核完全放棄を強要しない

華々しい、と言っても具体的成果に乏しい、韓国・北朝鮮首脳会談とわが日本を引き比べ、石川啄木の短歌を思い出している。

――東海の小島の磯の白砂に、われ泣きぬれて蟹とたはむる――

米韓と北朝鮮の関係が緊張の極にあった昨年は、安倍総理がコロンブスの卵を立てるがごとくに北朝鮮を電撃訪問。拉致問題の前進をはかるとともに、米国・北朝鮮間の緊張を緩和するイニシャティブを取る好機であった。

それに乗れなかったことで、日本はいま孤立の様相を強めている。今回韓国が北朝鮮と手を握ったことで、米韓合同軍事演習は当面、あるいは永久にあり得ないことになったし、その延長上には在韓米軍の撤退も日程に上りかねない。

 

トランプ米国も、この両鮮和解の基調を乱暴に破壊はできないだろう。トランプは、北朝鮮がICBM開発を止め、核廃棄を究極の目標とすると言えば、秋の中間選挙で有権者に示す「成果」として十分だ、と判断するだろう。

ポンペオ新国務長官は、4月22日上院外交委で、「北朝鮮の核を完全に撤廃させる云々については、自分は慎重だ。――北朝鮮との首脳会談の目的は、米国への核攻撃の危険性に対処することである」と述べている。

さらにポンペオは、「北朝鮮の大きな軍事力に対して、米国は韓国・日本等への抑止力を提供していく」との趣旨を述べてもいるが、これは北朝鮮の中距離・短距離核ミサイルの撤廃までは面倒を見切れない、日本と韓国は米国の核の傘で我慢をしろということを意味する。

こうして韓国・北朝鮮・中国が連携を強め、米国も自分のことしか考えない。報道によれば、平昌オリンピックで安倍総理に拉致問題への対処を迫られた北朝鮮の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長は、「(戦前の朝鮮支配に対する)謝罪と賠償の方が先だ」とすげなく述べた。

その含意は、北朝鮮は日本との話し合いを急いでいない、今の日本にその価値はないということである 。だから、5月末予定される日ロ首脳会談も、日本が泣き濡れて対ロ外交というカニと戯れる、ぐらいにしか見えなくなってしまった。

なぜこうなっているのか、そしてトランプ大統領の予測不能の性格に鑑みて、これとは全然別の展開、つまり極東でのパラダイム転換(様変わり)があり得るのかどうか、それはどんなものなのか考えてみたい。