TOKIO強制わいせつ事件、「あの一言」が全てを台無しにした

甘すぎる現状認識と不誠実な態度…
原田 隆之 プロフィール

アルコール依存症なのか

山口メンバーについては、かねてからアルコール依存症の疑惑がたびたび報道されていた。

2年前の2016年に離婚に至ったのも、顔を腫らして眼帯をしてテレビに出たのも、アルコールが原因ではないかとの憶測を呼んだことがある。

今回の会見でも、アルコールで体調を崩して入院していたが、病院を退院した当日の事件であることが明らかになった。退院した日に、正体がなくなるほどに飲酒をし、挙句の果てに事件を起こしてしまうというのは、尋常ではない。

断片的な事柄をもとに安易に決めつけるのは控えるべきであるが、やはり飲酒に対するコントロールを喪失している可能性がきわめて高い。端的に言えば、アルコール依存症の疑いが濃いということである。

会見では、今後の飲酒についても問われていたが、「今は飲まないと決めているが、今後のことはわからない」としか答えられず、将来のことについては言葉を濁し、未練が相当あることがうかがえた。

〔PHOTO〕iStock

さらに、「アルコール依存症であるとは思わない」と否定もしていた。

アルコール依存症の症状の1つが、「問題の否認」であると言われている。

酒のうえで数々の問題を起こしているのもかかわらず、それに直面できず、自らの飲酒に問題はないと認識してしまう、いわば「認知のゆがみ」である。この会見では、それが如実に表れていたと見ることができるだろう。

アルコール依存症の克服は、並大抵のことではない。

少し入院すれば、体調のほうは回復するかもしれないが、今回のように退院するや否や大量に飲酒をしてしまうことから考えても、症状は相当進んでいるとみるべきで、10年20年単位で治療にコミットする必要がある。

「復帰」を口にするのであれば、その先のことであろう。

 

なぜ強制わいせつに及んだのか

さらに、1つはっきりしておくべきことは、アルコール問題と「性犯罪」は別物だということである。この事件においても、この2つはきちんと分けて考えるべきである。

アルコール依存症患者は、わが国では100万人を超えているが、言うまでもなく彼らのほとんどは性犯罪とは無縁である。

酩酊下で暴力行為に及んだり、性犯罪に及んだりする者も確かにいるが、それは元来、そうした問題性を有していたからだとみるべきである。

その問題性とは、暴力を肯定する価値観であったり、女性を性的対象としか見ない態度であったり、社会の規範やルールに対する甘い認識であったりする。

例えば、本人は会見のなかで、被害者について「好感の持てる方で、話が合う」と述べていたが、50歳前の中年男が高校生に対して述べるコメントとしては異様だ。

彼はかつてアイドルとしてちやほやされ、今でも若いつもりでいたかもしれないが、相手からみれば50歳近いオッサンであり、おそらく父親よりも年上の存在だろう。

それを自覚していないからこそ、「相手も好意を抱いているはずだ」などと、独りよがりな思い込みをし、自宅に誘ったり、性的な接触を持とうとしたりしたのではないだろうか。

これもまた「認知のゆがみ」である。