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米株価動向は「ハイテク企業の新ビジネスモデル次第」という現実

IT分野は本当にこのまま成長するか

米国の国債流通利回りが上昇した。一時、米10年国債の流通利回りは、前回の上昇局面(2013年12月下旬)の3.03%程度を上回る場面もあった。原油価格の上昇観測、米財務省による国債供給増加懸念、FRBによる利上げ予想などを背景に、金利が上昇基調で推移すると懸念する市場参加者は増えつつある。

2月にも一時金利が上昇したが、当時と違うのは米国の株式市場の混乱などが発生していないことだ。今回、株式市場が安定している背景には、減税法案が米企業の利益を押し上げるとの期待などがある。ただ、減税の効果は一時的だ。さらなる業績拡大のためには、高収益を誇るハイテク企業のビジネスモデルの持続性が注目される。

 

米国市場は安定しているが

米国経済は緩やかな回復を維持し、それが世界経済全体の持ち直しを支えている。景気の足腰が相応にしっかりとしているため、米金利が上昇し新興国からの資金流出圧力が高まっても、グローバル全体で金融市場は安定感を維持している。その要因として、米国の企業収益への期待の上昇がある。

1~3月期の米国企業の決算内容を見ると、主要企業で構成するS&P500指数の一株当たりの利益(EPS)は平均して約20%増加した。決算を発表した企業の79%が、市場予想を上回る利益を確保した。

4~6月期についても、株式のアナリストらは平均してEPSが19%程度増加すると予想している。これは米国を中心に株価を支える大きな要因だ。

加えて、米中の貿易戦争への警戒感が和らいだことも重要だ。米中間の報復関税への懸念は残っているが、中国が輸入車への関税引き下げを検討していることは大きい。中国は、自動車だけでなく経済の開放を進めることによって潜在成長率を維持しようとしている。

米国の自動車メーカーにとって、関税引き下げの潜在的なメリットは大きい。うまくいけば、ドイツ勢が存在感を示してきた中国の自動車市場で、シェアを高めることもできるかもしれない。その観測から、米国を中心に世界の株式市場の安定感が支えられている。

言い換えれば、金利上昇の環境下にあっても、株価が急落し相場が下落基調をたどる展開が回避されている。

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