「じつはうちの子、学校に行ってません」が普通の時代になってきた

だから不登校中退者専門進学塾を作った
安田 祐輔 プロフィール

学校に行けない子ども・若者の塾をつくる

平成の30年間は、私の人生とリンクしている。平成はとても不透明な時代だった。いい会社に入れば幸せになれるわけでもなければ、収入が高い伴侶を見つけたところで幸せになれるわけでもない。

どの高校に行けばいいのか、どの大学に行けばいいのか、どの会社に行けばいいのか……自分の手で人生を模索しなければいけない時代を、子ども・若者たちは不安の中で生きてきた。

キズキ共育塾の講師と著者(左端)

私は、現在そうした自分の「当事者としての経験」を活かしながら、まさにいま不登校や中退、ひきこもりといった問題を抱える子どもたちに寄り添うための進学塾(キズキ共育塾)を経営している。学校やほかの塾ではうまくいかなかった1000人以上もの子どもたちがキズキで学び、卒業していった。

最近では、自治体と連携して「ひとり親世帯の子どもたちの家庭訪問支援」(足立区)や「引きこもりの若者の就労支援」(新宿区)を行ったり、専門学校や大学と連携して「発達障害などを抱えた若者たちの中退予防支援」など様々な支援にも携わっている。

 

不登校の生徒は小中高合わせて13万人を突破

この仕事をしているとよくわかるのだが、現代には自分がかつて経験したような苦しみを抱えた人たちが大勢いる。例えば、うつ病の患者数は110万人を超え(111.6万人、2014年)、児童虐待の対応件数も12万件を超えた(12.3万件、2016年)。不登校の生徒も小中高合わせて13万人を突破している(2016年)し、貧困率が高いと言われるひとり親世帯の数も100万に迫る勢いだ(91.2万世帯、2012年)。

これら「新しい社会問題」に関する統計の多くは平成の30年間をカバーしていない。例えば、ひきこもりについてのデータは2010年からしかないので、平成の始まりに比べて増えているのか減っているのかをデータで把握することはできない。

しかし、いくつかの統計からこの時代に起きた明らかな変化の断片を見てとることもできる。例えば、不登校生徒、ひとり親世帯、うつ病患者、 こうしたデータは、どれもこの平成20~~30年のうちにどのデータも顕著な増加を示しているのだ。

例えば、不登校の生徒が全体に占める割合は、90年代の半ばから2000年にかけて一気に上昇している。その後は高止まり、2016年に再び最高値を更新している(1.35%)。1991年と比較すると全体に占める割合は3倍近くにまで伸びているのだ。


また、家族のあり方も大きく変わっている。18歳以下の働いていない子どもがいる世帯全体に占める「ひとり親世帯」の割合が、1988年から2012年にかけて2倍近くまで増えている。特に2000年代に入ってからの伸びが顕著だ。ちなみにこれは母子世帯、父子世帯の合計値だが、内訳としては母子世帯の方が圧倒的に多い。


全人口に占めるうつ病患者の割合も90年代から2000年代に入るタイミングで一気に上昇し、2014年には0.88%にまで伸びている。総人口が減少する中で、うつ病を患う人はむしろ増えているのだ。