GW後に起こる、新入社員の「もう会社辞めます」を回避する方法

いまどき新人のロジックとは?
北條 久美子 プロフィール

コミュニケーションは「質より量」

誰もがこうだということではありませんが、お互いにこれほど違いがあれば、すぐさまわかりあうのは難しいという現実がよくわかります。

とくに大きいのがデジタルに関する価値観。例えば、メールやLINEでしか連絡してこない新人がいたとします(実際、LINEで退職を申し出た、という話も珍しくありません)。上司世代は「大事なことなんだから顔を見て口で言うべき」と考える一方で、新人は「大事なことだからこそメールで連絡した」と思っています。ここでの正解は、「メールをした上で、口頭でも言葉を添える」ではないでしょうか。

このようなジェネレーションギャップを埋めるのは、やはりコミュニケーションしかないと私は考えます。立場や世代の違いを埋めてくれるのは、シンプルにコミュニケーションの積み重ね=量です。

「断られるんじゃないか」「何を話したらいいのかわからない」と怯まずに、上司の方からランチや食事、お酒に誘ってみましょう。他愛のない世間話をするだけで、お互いの共通点や長所が見つかることもあります。

ちなみに「新人のほうから誘うべき」と待っていては何も始まりません。新人世代はそもそも上の世代と距離を感じているうえ、会社ではドライな関係性を好みがち。自分から「行きましょう!」ということはなかなかありません。ここでのコミュニケーションは「質より量」と思って、まずは軽く誘ってみてください。

今にも辞めそうな新人を説得する 5つのロジック

「なんで辞めちゃいけないんですか?」と思っている新人を引き止めるのも、やはりコミュニケーションです。

新人たちは理解や想像が及んでいないだけで、ひと言教わればイメージがわき、気持ちが通じる場合もたくさんあります。ランチタイムやお酒の席、移動中の会話でも、「今にも辞めそう」な新人にはこんなことを語りかけてみてください。

1「やりがいが感じられない」新人へ

「え、やりがいってなんだっけ」。そんな上司世代もいるかもしれませんが、やりがいは実は図にするとすごくわかりやすいんです。

やりがいとは、「WILL(やりたいこと)」「CAN(できること)」「MUST(やらねばならないこと)」の重なった部分のことと考えてみてください。

つまり、WILL、CAN、MUSTがすべてバランスよく大きくなっていなければ、やりがいは見いだせません。上司世代はできること=CANは大きいけれど、やりたいこと=WILLが小さくなったりしていませんか? 新人は逆にやりたいこと=WILLだけが大きく、残りのふたつはとても小さいものです。

WILLをキープしながらCANとMUSTを増やす、もしくはMUSTをこなすことでCANを大きくする。そんなふうにバランスよく成長していけば、必ず「やりがい」はともなってきます。

ちなみに、どの世代であっても、ときどきWILL、CAN、MUSTのバランスを振り返ってやりがいを見直すと、新しいモチベーションにつながります。

 

2「なんのために働くんですか」新人へ

「なんのために働いているのかわからない」「先輩はなんのために働いているんですか?」。理屈好きな新人はそんなことを聞いてきます。

そもそも、社会人と学生のいちばん大きな差は、学生は受動の存在であり、社会人は能動の存在であることです。「人が動く」と書いて「働く」ですから、自分を積極的に動かして社会に関わることこそが、働くこと。自分を動かすには、時間や知恵を提供する必要があり、逆に「お金」という対価を得ます。

会社に入った以上、新人でも社会に参加している責任があること。今はまだそのスタート地点に立っているだけで、多くの可能性の前にいることを、すべてはこれからだということを教えてあげましょう。