いま、あえて言おう「大谷翔平は二刀流を捨てるべきだ」と

広岡達朗氏インタビュー
広岡 達朗
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スター性のある顔でもないし、野球選手としての魅力は、大谷とは雲泥の差ですよ。

―'16年に同じ幻冬舎から発刊された『巨人への遺言』に続き、本書でも昨シーズン、11年ぶりにBクラスとなった古巣の体たらくを嘆いてらっしゃいます。今季、巨人はスタートダッシュに失敗し、開幕から16試合(4月18日現在)を戦って最下位です。

毎年のように大量補強をしておきながら、どうして勝てないのか。それが私には解せない。メジャー帰りの43歳の上原浩治が、救援に2度、失敗しましたよね。

年齢からして力が落ちているのは分かりきっていたこと。今後は配置転換を考えないといけないでしょうが、それを(同い年で監督の)高橋由伸が断行できるか。

私がヤクルトや西武で監督をしていた頃は、結果の出ない選手に「やめろ!」と言って発憤させるのは日常茶飯事だった。選手をパーンと、平手で叩くこともあった。今の時代は、いずれも暴力、パワハラになるんですか? おかしいですよ。そういった行為は愛情の裏返しなんだから。

 

私はね、高橋由伸が監督1年目('16年)を終えたオフに、彼を三軒茶屋の事務所に呼んだんです。

「お前は何を教えているんだ?」と問い質すと、何も答えない。答えられない。がっかりした私は「お前は慶応だろう!」と言ってやった(笑)。

ショートの坂本勇人にしても、打球の正面に回り込んで捕球せず、バッターに向かって右側の打球はすべて逆シングルで捕りますよね。これは(イレギュラーバウンドがほとんどない)人工芝のグラウンドに甘えた守備で、怠慢です。人工芝は野球選手を堕落させますよね。

その点、ソフトバンクの今宮健太は、基本に則った華麗な守備をする。今後が楽しみだと思ったら、既に年俸が2億2000万円(推定)と聞いた。5000万円ぐらいだったら応援するんだけどな(笑)。

―幻冬舎のWEBサイトで連載していた同名タイトルを単行本化したのが本書です。連載時は「老害だ」というような書き込みもあったそうですが、確かに現代の野球を、広岡さんの時代の物差しで語るのが適しているのかという疑念は抱いてしまいます。

私が西武の監督だった'80年代にも、「広岡の管理野球は時代錯誤だ」と批判された。「勝ちたいのなら俺の言うことを聞け!」と伝え、いざ勝ち始めると、そうした批判はなくなり、みんなが「イエス、サー」になった。

野球の基本というのは、いつの時代も変わらないものです。では基本とは何か。臍下丹田の一点に重心を置き、その重心をぶらさずに動くのが野球の動きすべての基本なんです。

その姿勢は、リラックスして立っている状態でありながら、相手の投球に、相手打者の打球に、瞬時に反応できる姿勢でもある。

こういった基本を現在の監督や選手は分かっていない。だからこそ、本に書き残しているんです。(取材・文/柳川悠二)

『週刊現代』2018年5月5・12日号より