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セクハラにノーパンしゃぶしゃぶ…57年入省組はなぜ不祥事だらけか

スキャンダルは今回だけじゃない

財務省に限ったことではないが

福田淳一財務事務次官が、女性記者に対するセクハラ疑惑で追及を受け、辞任を表明した。

本人は行為を否定しているが、テレビ朝日の記者が、音声テープをもとに被害を名乗り出る事態にまで発展している。

福田氏は東大法学部を卒業して昭和57年(1982年)に旧大蔵省へ入省しているが、その同期は国会議員へ転身した片山さつき氏や森友問題で追及を受けた佐川宣寿氏など、いろいろな意味で特徴的な人物が多い。

なぜ「57年組」はこのような人物たちが集まったのか。

財務省に限ったことではないが、官庁の新人採用にはトップの意向や採用担当者の個性が出ることが多い。

57年組の採用時の大蔵大臣は渡辺美智雄氏で、庶民的なキャラクターの人だった。同氏は東大卒に偏っていた採用をもっと多様化するように、当時の採用担当だった中島義雄秘書課企画官に発案したといわれている。

その結果、56年組は24名中東大22名、京大1名、一橋大1名であったのに対して、57年組は入省者27名中東大22名、京大1名、一橋1名、阪大1名、早大1名、慶大1名となった。

渡辺美智雄元副総理大臣(Photo by gettyimages)
 

東大の比率が圧倒的なのは変わらなかったが、阪大、早大、慶大は旧大蔵省ではきわめて珍しい。ちなみに、事務方官僚トップの財務事務次官は福田氏まで戦後54人いるが、京大出身2名を除き、すべて東大出身である。

57年組は「呪われた期」といわれている。彼らが30代後半にさしかかったころ、'98年のいわゆる「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」によって1人が逮捕、1人が引責辞職している。

ちなみにこのスキャンダル以前には、採用担当かつ事務次官候補だった中島氏も辞職に追い込まれているから、まさに「呪い」でもかかっているのではないかという有り様だ。

ここにきて、佐川氏と福田氏が渦中の人となった。病死はどの期でもあり得るが、種々のスキャンダルでの逮捕や辞任はさすがに他の期では見当たらない。

たしかに財務省の汚職接待が発覚したときに、57年組が脂の乗った課長補佐クラスあたりにいたことも影響がなかったわけではない。

金融庁が存在しなかった当時、金融行政部局は大蔵省にあった。そしてバブルで大もうけした金融機関の大蔵省担当者は、その豊富な資金を大蔵官僚の接待に充てていたわけなので、その当時に金融行政部局にいた大蔵官僚はほぼすべて接待まみれになっていた。

その代表格が、当時各部局の中核を担っていた57年組なのである。

 

それから20年経って森友学園問題が起こったわけだが、元理財局長で佐川氏と同様に関与を疑われた迫田英典氏も57年組であり、東大卒だ。

ちなみに、この57年組でこれらのスキャンダルに絡んだとされるのは全員東大出身である。大蔵官僚でもっとも多様性のある採用をした年であるにもかかわらずだ。

これまで財務省は東大出身かつ公務員試験の上位得点者ばかりを採用することで、霞が関の最上位たる地位を誇ってきた。相次ぐ57組のスキャンダルは、エリート採用主義が単なる虚飾であったことを、ある意味で浮き彫りにしたのかもしれない。

『週刊現代』2018年5月5・12日号より

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