日本をじわじわ蝕んでいる「静かなる有事」に気づいてますか

2043年、ついにこの国は…
河合 雅司 プロフィール

したがって第1部では、少子高齢化や人口減少によって起きるであろうことを、家庭、職場、地域社会といったトピックスに分けてカタログ化する。若い読者にもわかりやすく内容を理解してもらうために、「人口減少カタログ」を各トピックに載せた。


拡大画像表示あなたにの身に起きることが、ひと目で分かる人口減少カタログ(一部抜粋)
第1部目次(抜粋)
◎伴侶に先立たれると、自宅が凶器と化す
◎亡くなる人が増えると、スズメバチに襲われる
◎東京や大阪の繁華街に、「幽霊屋敷」が出現する
◎高級タワマンが、「天空の老人ホーム」に変わる
◎80代が街を闊歩し、窓口・売り場は大混乱する
◎オフィスが高年齢化し、若手の労働意欲が下がる
◎親が亡くなると、地方銀行がなくなる
◎若者が減ると、民主主義が崩壊する
◎ネット通販が普及し、商品が届かなくなる
◎オールド・ボーイズ・ネットワークが、定年女子を「再就職難民」にする

前著『未来の年表』が年代順というタテ軸を用いて俯瞰したのに対し、本書は「人口減少カレンダー」で起きる出来事を「ヨコ軸」、すなわち面としての広がりをもって眺める。そうした試みによって、人口減少社会とはどんな姿なのかをより立体的に把握できると考えたからだ。

もちろん、すべての生活シーンを再現できるわけではない。「これから儲かるビジネスは何ですか?」などというストレートな質問を頂くことも少なくないが、私はジャーナリストであり、ビジネスコンサルタントやマーケットリサーチャー、ましてや予言者ではない。

人口動態から社会の変化の兆しを先読みすることはできても、あまたある職種に今後起こりうることをすべて知る術を持っているわけではない。

しかし、主だった生活シーン、ビジネスシーンへの影響をデータの裏付けをもって疑似体験できるように描けたならば、それが結果として、ビジネスチャンスや個々人のライフプランづくりに役立つことになるだろう。

小さな子供を持つ親御さんならば、「子供の将来」への不安も小さくないだろう。『未来の年表2』はそれを考えるヒントにもなる。

 

第2部では、個々人や会社などで「今からでも始められる対策」を中心に選択肢としてメニュー化した。

どこかズレている政治家や官僚、古い体質の企業経営者の変化を待っているだけでは、もはや遅い。地域や一般社員、個々人のレベルで「今できること」を着実に進めることが極めて重要となってきている。

一人ひとりの取り組みが日本社会の価値観や〝常識〟を変え、いつか世論となり、社会ニーズとなっていく。われわれが政府や企業を動かしていかなければ、この国は衰退の道を歩み続ける。

私は少子高齢化を「静かなる有事」と名付けたが、近年の出生数の減り幅の拡大ぶりを見ると刻々と進んでいる印象だ。人口減少のスピードは思ったより速くなるかもしれない。まさにいまが日本の正念場ともいえる。

時間はさほど残されているわけではない。過去の成功体験にしがみつき、人口減少や少子高齢化対策に逆行するような愚行は許されないのである。

『未来の年表2』が、あなたを救う一助にならんことを願う。

5月14日、いよいよ発売!