Photo by gettyimages

会見に臨むハリルホジッチを「かわいそう」と言うのは失礼だ

彼が目指したこと、できなかったこと

日本代表監督を電撃的に解任されたヴァイッド・ハリルホジッチは今日4月27日、会見に臨むと言われている。

「私はゴミ箱に捨てられた」

そう怒り心頭に発するハリルホジッチは、なにを語るのか——。彼には彼の言い分があるのだろう。解任のタイミングなど、同情的な声も集まるのは事実だ。

では、改めてハリルJAPANとは何だったのか。ハリルホジッチが日本サッカーにもたらした功罪とは。

 

意欲は飛び抜けていた

2015年3月、ハリルホジッチは日本代表監督に就任している。前任のハビエル・アギーレ監督が「八百長疑惑」に巻き込まれたことで解任。その後を引き受ける形になった(ちなみにアギーレはスペイン検察から訴追を受けたが、その後も2年間、UAEのクラブを率いるなど有罪は確定していない)。

当時の日本サッカー協会がアギーレ後の監督をリストアップし、急遽、交渉に入ったわけだが、ハリルホジッチはその最初の席でワールドカップやアジアカップなどを分析した日本代表の膨大な資料を持ち込み、持論を展開したという。

意欲に関しては飛び抜けていた。

2014年のブラジルワールドカップで、アルベルト・ザッケローニが有力選手を制御できず、美学に殉じて敗れた反省もあって、ハリルホジッチは「引き分けでいいなら狙って引き分けられる勝負師」として迎え入れられた。

「ザッケローニが率いたチームは、7、8人の選手が一斉に攻撃に関与するようなところがあり、攻守のバランスに著しく欠け(カウンター攻撃に対して)、リスキーだった。私は相手に隙を見せるような戦いはしない」

ハリルホジッチは当初、ブラジルワールドカップまでのザックJAPANについて説明し、手堅く勝利するための算段を打ち出している。

守備を分厚く作り、まずは相手の良さを消し、攻撃に関しては手数をかけずに(リスクを冒さず)攻めきる。

できるだけ速い攻撃をする、という表現は「縦に速いサッカー」として定着するようになった。また、日本人選手の1対1での弱さも指摘。「デュエル」という単語を使い、個の強さ激しさの部分で負けず、試合をマネジメントする力につなげようとした。

そして就任から3試合は3連勝。船出は上々だった。監督の舌鋒も冴えた。

Photo by gettyimages

ところが2015年11月のロシアW杯アジア2次予選は、格下シンガポールにホームで0−0に終わって、嵐の船出になる。

「(ディフェンスラインから中盤へ)短いパスをつなぐよりも、常に相手のゴールへ速い攻撃をするように」

その号令によって、ボールを支配する試合を追求してきた選手たちは混乱した。

結果、闇雲に長いボールを蹴り込んで、得点機を逸することになった。真面目な選手は監督の意図を素直に遂行しようとしたのだが、相手が守備陣形を作っていただけに、罠にはまったも同然だった。

ここで生じた選手たちの不信感が、結局は後に、ハリルホジッチの首を絞めることになる。