写真・内涵段子閉鎖に抗議する中国ユーザーのネット画面より

中国政府「人気お笑い動画アプリ」永久閉鎖事件の深層

かの国でなにが起こっているのか

鄧小平の名言をギャグに

「段子」という中国語がある。漫才など演芸の「一区切り、一節」という意味で、ちょっとした笑い話、コントもこの「段子」と呼ばれる。例えば、次のようなものだ。

家(集合住宅の一室)で男性が父親と話をしている。

息子「最近好きな女性ができたんだ」
「それは良かった。で、誰なんだい?」
「隣の部屋の蕭蕭(シャオシャオ)」

困った父親「うーん、蕭蕭はダメだ」
「どうして?」
「実はー、お前とは腹違いのお姉さんなんだ」

驚く息子。「じゃあ、向かいの素素(スースー)は?」
「ダメだ」
「今度はどうして?」
「腹違いの妹なんだ。あの頃父さんは、つい衝動的になってしまった!ほかはいないのか?」
「上の階の小新(新ちゃん)もいいな」
「息子よ、もっと遠いところで探さないか。この棟はだめなんだ。みんなお前と血縁関係があるんだ!」

息子は母親に父親とのやり取りを暴露した。

母「心配しないで、好きな人を探しなさい。あなたはね、実はお父さんの子供じゃないの」
またもや意外な事実に驚く息子。「じゃあ、僕は誰の息子なんだ?」
少し考えた母はこう答えた。「あなたはね、人民の息子なのよ」

 

このコントの動画を、SNSでシェアしたところ、「オチがすごすぎる」「こりゃオモロイわ」「吹きました!」と中国に詳しい記者、学者仲間が相次ぎ激賞した。

オチの「人民の息子」はかつて中国の指導者、鄧小平が残した「私は中国人民の息子だ」という、中国人なら知らない人はいない言葉をもじって、「あなたのお父さんは誰だったか分からない」というきついジョークを飛ばしたものだ。

この動画は、筆者も加入しているSNS、微信のグループに投稿された。もともとは、中国のアプリ「内涵段子」に掲載されたものだった。

内涵とは「風刺を込めた言外の意味」で、ユーザーがこうしたやや際どいジョークなどを投稿し人気を集めていたが、この4月11日、中国のメディア管理部門、国家新聞出版広電(ラジオ・テレビ)総局は「内涵段子」に「方向が正しくなく、格調が低俗」だとして、永久閉鎖を命じたと発表した。