中退、引きこもり、貧困、発達障害…暗闇のなかの歩き方を支援する

【特別対談】鈴木大介×安田祐輔
鈴木 大介, 安田 祐輔 プロフィール

先生や学校と合わない子の受け皿としての「塾」

安田:そういうところが合わなくて学校に行けなくなったけど、塾に行ったらアウトローというか、それこそ塾の先生なんていろいろ寄り道して普通の会社で就職できなかった人達の集まりなので、おもしろい先生に会って救われたという話ってたくさんあるんです。だから公教育で全部担うべきなのかっていうのはすごく悩ましい。ちなみに僕は塾でやっぱり救われた経験があるので……学校がここに書いてるように全然合わなかったんですよね。中学の時は本当に。

写真:柏原力

だから僕自身は今、本にも書きましたけどスタディクーポンって言ってクーポンを一定所得以下の子に配る形で教育格差を埋めるっていうのが一番、100%の解決策ではないけれど、いいんじゃないかなと今は思っているぐらいなんですよね。

鈴木:確かに。本来なら公教育をどんな子どもにも対応できる質にまであげていかないとって思うんですが……。

安田:でもガラッと変えようにも、これだけ全国に何万か何十万人先生がいれば、そりゃ色んな先生もいますよね。だから100%の解決策じゃないけれども、格差がついてしまった、格差の中で苦しんでいる子たちに我々みたいな事業者がしっかり支援できるような体制がやっぱり必要だな、と。もしくは貧困家庭の子でも、メンタルにあんまり課題を抱えていない子は「クーポンで好きな友達が行ってる塾に一緒に行けるよ」みたいな形にするのが今はいいかなと思ってはいます。本当は公教育がすごい良くなればいいのかもしれないですけど。

 

"就職率"より"就労継続率"を追うべきなのに

鈴木:でも教育って難しいですね。あの、全然話変わるんですけど、僕の危惧する教育の産業化って部分で、専門学校って法律で規制したほうがいいと考えたことはないですか? 明らかに卒業後の仕事に結びつかない学校でそこそこの授業料を取っているところが相当数あると思うんです。

安田:実は専門学校の発達障害の子の支援をずっとやってきてます、学校と契約して。これは学校によってすごくレベルの差があるんですよね。

鈴木:なるほど。

安田:ひとつ思うのは、中退率では縛った方がいいな、と。中退率の高い学校はなくしたほうがいいですよね。

鈴木:その後の就職率は?

安田:その後の仕事につながるかどうかという意味だと、自治体の引きこもり等の若者向けの事業でさえ、就職率は見ても働き続けてる率は、あまり見てないんですよ。専門学校とは違う話なんですけど、就職が決まるだけではなくて、しっかり続けることが大事だっていう認識がまだ足りていなくて。

どれだけ就職させたかが目標になっていて、就職先を1ヵ月で辞めたところでその委託を受けてる事業者には×が付かないケースも多いんです。ある委託を受けてたときも、目標の数字の設定がおかしいなと思ったのですが、就職した人数だけを見ていて。