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高血圧の新常識!あなたが気にするべき「本当の基準値」教えます

古い常識のままでは絶対に治りません

血圧をめぐる変化は目まぐるしい。とくにここ数年は、常識がいくつも覆り、基準となる数値が変わってきた。本特集ではその変化を踏まえた、2018年「最新版」の情報をお伝えする。

測ると下がる

「近年、高齢者の方の血圧管理について、『下げ過ぎないほうがいい』という見方をする医師が増えています。

昨年7月に日本老年医学会が発表した高血圧診断のガイドラインでは、75歳以上の方について、それ未満の世代と分けて考え、血圧の目標数値を150/90mmHg(最高血圧/最低血圧・以下、単位は省略する)としました。

さらに、終末期にある高齢者には降圧薬の中止も積極的に検討すること、副作用が出た場合に降圧薬の減量や中止を強く推奨することが示されました」

こう語るのは、長尾クリニック院長の長尾和宏氏である。

「サイレント・キラー(沈黙の殺し屋)」。高血圧は、自覚症状がないままに死に至る病を引き起こすことから、こんな異名を持っている。

 

長尾氏が語るとおり、近年この殺し屋についての「常識」は変わりつつある。命を奪われないようにするためには、最新の情報に基づき、自分の血圧を適切に「読み解く」ことが重要だ。

その第一歩は、自分の血圧を正確に把握することだ――そうしたシンプルな事実を示す論文が、今年3月、イギリスの歴史ある医学専門誌『ランセット』に掲載された。

降圧剤を飲んで高血圧の治療をしている患者を3つのグループに分ける。病院で医師の診察を受け、薬の用量を調整するグループ(通常診療)、自宅でこまめに血圧を測って用量を調整するグループ、自宅でのモニタリングに加えて通信システムを使って遠隔での診察を受けるグループの3つである。

治療開始から12ヵ月後の彼らの血圧を調べると、通常診療のグループに比べて、残りの2グループのほうが、有意に血圧が下がっていたというのである。論文を発表した研究者は、

「自分で測定を行うことは、高血圧患者の血圧管理法として、推奨できるものです」と発表している。

つまり、自宅で頻繁に測定し、自分の血圧を把握したほうが、それを意識して行動することになり、血圧は下がりやすいということだ。新小山市民病院院長の島田和幸氏も言う。

「血圧は、『その後の健康状態』の予測値のようなものですが、病院でたまに測っていても、上ブレして出るなど正確な数字を把握しづらい。日々家庭で測るからこそ、変化を読み取ることができ、意味があるのです」