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ますます高まる日本の「外国人依存」〜いかに迎え入れるべきか

外国人雇用状況の届出から考える

「過去最高を更新」「高まる依存」――2018年1月26日、外国人雇用状況の届出数が1,278,670人であるという集計結果(2017年10月末現在)が公表されると、新聞等のメディアはこうした言葉とともに外国人労働者の増加を伝えた。

外国人雇用状況の届出制度とは?

外国人雇用状況の届出は、2007年6月に改定された雇用対策法にもとづくものである(法第28条、07年10月導入)。

雇用主は、外国人(在留資格「外交」と「公用」及び在留の資格「特別永住者」を除く)の新規雇用と離職に際して厚生労働大臣に届け出ることが義務づけられており(罰則規定あり)、2008年以降、毎年10月末現在の数値が公表されている。

数値の推移をみると(図1)、外国人労働者数は2008年の486,398人から10年間で2.6倍に増加したことになるが、リーマンショック後の景気後退のなか外国人登録者数が減少に転じた時期でも総数が増えていることからもわかるように、増加分には届出の徹底が少なからず反映している。

図1:在留資格別外国人労働者数の推移(拡大画像表示)
注1)各年10月末現在のものである。
注2)2010年7月に在留資格「技能実習」が創設された(それ以前の技能実習生は、在留資格「特定活動」)。
出所:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(各年版)をもとに筆者作成

筆者の聞取りでも、コンビニやスーパー、飲食店などのチェーン店では本部からの指導もあり、届出はかなり徹底されてきている。

しかしながら、個人経営の店や外国人が経営する事業所などでは、いまだ制度自体を知らず、外国人を雇用しているにもかかわらず届け出ていないという雇用主が少なくない。

また、外国人労働者の名前や国籍、在留資格など、個人を特定する情報を合わせて届け出ることになっているので、当然、在留資格をもたずに働く者は届けられていない。

さらに、制度名が示す通り、「雇用されている者」を対象としているため、自営業主や建設などの一人親方は含まれていない。

 

その一方で、ランチタイムと夜を別の店で働いたり、曜日によって違う仕事をしたりする外国人――自らの選択でこのような働き方をする外国人もいるが、これは彼/彼女らの言葉を借りると「リスク分散」なのだそうだ。つまり、突然の解雇やトラブルに備えて、2つ以上の仕事をかけもちする外国人もいる――の場合には、いずれの事業所でも届け出されているので、重複してカウントされることになる。

このように、届出に基づく数値が、日本で働く外国人労働者を正確に示しているわけではないものの、その全体像を知る唯一の統計であることから、以下では、当該届出状況(以下「届出状況」)を手がかりとして、日本で働く外国人労働者を考えてみたい。

「90年体制」の確立と専門的・技術的労働者

日本で暮らす外国人は、植民地支配の歴史的背景をもつ旧植民地出身者とその子孫である「オールドタイマー(オールドカマー)」(在留の資格「特別在留者」)と、戦後新たに来日した「ニューカマー」に大別される1

かつては、日本で暮らす外国人の大多数をオールドタイマーが占めていたが、一世の高齢化による死亡、日本国籍の取得や日本人との結婚などで、その数も割合も減少している(329,822人、在留外国人の12.9%、2017年末)。

これに対して、国際化、グローバル化の進展とともに、ニューカマー外国人が増加しているが、彼/彼女らが合法的に入国・滞在するためには、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)にもとづく28の在留資格のいずれかに認定される必要がある。

表1の上段にある活動にもとづく在留資格は、就労に制限があり、在留資格で認められた活動(就労)以外を行うことができない。

表1:在留資格一覧

四角で囲った15の在留資格をもつ外国人が、政府が公式に労働者としての受入れを認めている専門的・技術的労働者、つまりフロントドアからの外国人労働者である。

かつて送出し国であった日本が外国人労働者受入れ国へと転換した1980年代後半、受入れの是非が議論された結果、いわゆる「単純労働者」は受け入れないことが政策的に選択され、1989年12月、入管法が改定された(翌90年6月施行)。いわゆる「90年体制」の確立である。

けれども、実際には、フロントドアからの労働者の割合は低く、後述する留学生や技能実習生などのサイドドアからの外国人労働者が、公式には受け入れていない「単純労働」を担っている2