「自撮り」に甲子園球児ばりに青春を捧げた女子高生の末路

遺影は「盛れてる」写真にしてください
もーちぃ プロフィール

その日のすべてが決まるプリクラ撮影

小学校4年生になった頃、友達と原宿に遊びに行くようになった。その目的はプリクラだった。当時のプリクラ機は、ただ撮影したものがシールになるだけでなく、目が大きくなり、顔が小さくなる加工がされ、落書きができる機能がついていた。

中学3年の時と思われるプリクラ
プリクラを撮るために友達と同じ制服を購入し、同じ髪型をした

この頃の私は、プリクラでいかに可愛く映ることができるか、いかに「盛れるか」ということにこだわっていて全力をかけていた。友達と遊ぶ予定(プリクラを撮る予定)ができたら、その日に向けて表情とポーズのイメトレをしていた。可愛い落書きがしてあるプリクラの画像をネットで拾って自分もできるように紙に真似して練習したりもした。今になって思い出すと、本当に笑える。

 

満を持して撮ったプリクラが盛れないと憂鬱な気分になった。それは友達も一緒な気がした。その友達がどれだけの準備をこのプリクラ撮影にしてきたかは知らないが、大半の女子はプリクラが盛れないと途端に不機嫌になるのだ。そして、当然のことながら盛れると上機嫌になる。自分と友達の調子がいい日は何度もプリクラを撮るのがお約束だった。おこづかいを貰っていなかった私は、正月に親戚からもらったお年玉をプリクラにつぎ込んでいた。

高校卒業までに撮ったプリクラ430枚、家に散乱しているので探せばもっと出てきそう……430枚プリクラを撮るには8万6000円かかるそうです

自撮りに捧げた青春時代

プリクラに奮闘していた時代を経て、私は「インカメ」という存在に出会う。中学2年生の時にアップル社から出ていた画面をタッチして操作する音楽プレイヤー「iPod touch」を祖母に買ってもらったのだ。それは、ほとんどiPhoneと同じような機能が付いていてアプリで遊ぶこともできた。写真を撮ることも可能で、画面側には「インカメ」と呼ばれる自撮り用カメラが付いていた。

今までガラケーで自撮りができなかった私にとってインカメとの出会いはとても大きかった。自撮りをしたことがある人ならわかると思うが、人から撮られるのと、画面で自分の写りを確認しながら撮るのでは写真写りは大きく変わるだろう。自撮りならカメラの角度や撮る場所の明るさ、表情を工夫するだけで自分を可愛く映すことができる。私はこの魅力に夢中になった。肌がきれいに見える自撮り用カメラアプリを使って、毎日自撮りをした。

当時使っていた自撮り用アプリ「BeautyPlus」と「camera360」
camera360で撮影した高校1年生の時と思われる自撮り

とにかく、自分が盛れる角度や場所を探すことに熱中していたので、自撮りをするためだけにわざわざメイクをすることも珍しくなかった。撮った自撮り画像はTwitterに載せた。いいねや「かわいい!」とコメントが来た時の快感は何とも言い表せないくらいのものだった。この時の「盛る」にかける私の熱意は甲子園球児レベルのものだったと思う。