新社会人よ、3000万トクするために今すぐ株式投資を始めなさい

お金が溜まってから…では遅すぎる
加谷 珪一 プロフィール

貯金はどう見ても損か

複利のメリットについて、一度は耳にしたことがある人も多いだろう。日本の株式市場は過去平均すると年6%の上昇率がある。6%で増えた分が翌年はさらに6%増えるので時間が経過するほど資産拡大に弾みが付く。

今から年間50万円(月あたり4万円ちょっと)の投資を30年間続けたと仮定しよう。今の超低金利が今後も続いた場合、30年間ただ貯金しただけでは1500万円にしかならないが、6%の複利の場合、得られる金額は4200万円にもなる。

退職金などという概念が消滅しつつある今、老後を前にこの金額があれば、どれだけ心強いのかは容易に想像できるはずだ。

 

この話を聞いて、2つの疑問が生じたのではないだろうか。1つは今後も6%のリターンが得られるのだろうかという疑問、もう1つは株価が下落して資産が減少するリスクはないのかという疑問である。

先ほど示した6%という利回りは、高度成長期やバブル経済とその崩壊、長期デフレなど、あらゆる場面を総合した平均値である。

企業は株主に対して一定以上のリターンを提供しないと存続することができないので、未来永劫、6%が維持されるのかは分からないが、少なくともこの水準に近いリターンは続く可能性が高い。株式会社制度が維持される限り、銀行預金より高いリターンになることは確実である。

さらに言えば、今後は社会のAI化やロボット化が進むので、社会全体として得られる富の多くが資本に対する対価となる。つまり労働よりも投資の方が有利になってくるという現実を考えると、投資リターンの極端な減少を心配する必要はないと筆者は考えている。むしろ労働者として得られる対価、つまり給与の方が心配かもしれない。

金融理論でリスクを計算してみる

リスクについては金融理論的には確率で考えるというのが標準的だ。過去の経験値から日本株にはプラスマイナス25%のリスクがあるといわれている。これは1年間に株価が上下する幅がプラスマイナス25%の範囲という意味である(厳密には統計学上の1σ=約65%の確率で、株価が上下25%の範囲内で動く)。

この数字をもとにシミュレーションを行ってみよう(1000回のモンテカルロ法)。先のケースで元本である1500万円を下回る確率は約30%となる。一方、4200万円を上回る人も30%ほど出てくる。つまり貯金と比較して7割の人が元本を上回り、3割の人が4200万円以上のお金を手にすることができる。

リスクの受け止め方は人によって様々だが、筆者はこの数字は悪くないと感じる。

投資から得られるリターンはリスクと引き換えになるので、どうしても損をしたくないという人は、投資をしないのが最善の方法である。もし3割の人に元本割れのリスクがあると聞いて、リスクが高いと感じるなら、銀行預金だけにとどめておいた方がよいだろう。

もしインフレになってしまったら、預金に偏っていた人は一発でアウトになってしまうが、インフレさえ発生しなければ、基本的に預金は損失とは無縁の存在である。このあたりは人によって様々だろうが、自分がリスクに対してどの程度の耐性を持っているのかについて知るという意味でも、一度は投資の経験をしておいた方がよい。