世界一孤独? 日本の中高年男性が絶対無視できない「悲しき未来」

孤独が国民病になりつつある…
赤川 学 プロフィール

誇り高く孤高であるべきという美学?

第二に、「男たるもの武士のように誇り高く孤高であるべきという美学」(p.18)が、男性に孤独を強いているという岡本氏の指摘も興味深い。

これらの規範や事実は、社会学や女性学/男性学の世界では、「男らしさ」のジェンダー規範とか、性役割などといわれて、しばしば批判的に言及されてきた。

 

男らしさの鎧を脱げだの、マッチョ信仰を捨てろだの、杓子定規に述べる人はたくさんいる。

しかし、異性(や親密なパートナー)からモテない人に向かって、「コミュ力」を磨けとのたまうほど残酷なメッセージがないのと同様、岡本氏が指摘する通り、「孤独な人に、誰かにつながれ、というのは、肥満の人に、ただ「やせろ」というのと、同じように、効果がない。」(p.167)。

この点を十分知悉している岡本氏の本は、コミュ力不足に改善するのに有益な技術に満ち溢れている。

〔PHOTO〕iStock

孤独を恐れるオジサン(筆者含む)にとって、必読の書と言えよう。

最後に、個人的な感慨になるが、すでに経済学者として功成り名を遂げた橘木氏が、新たに動物学や進化論を学び直す姿は新鮮であった。

すでに初老を迎えつつある筆者にとっても、今後の範を示していただいたように感じられた。