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世界一孤独? 日本の中高年男性が絶対無視できない「悲しき未来」

孤独が国民病になりつつある…

「孤独」がブーム?

今年1月、イギリスが孤独担当相(Minister for Loneliness)を新たに設置し、トレイシー・クラウチ氏が任命されたことが、日本でも話題になった。

イギリス政府によると、90万人が常に孤独を感じており、20万の高齢者が1ヵ月以内に友人や親族と会話をしておらず、18〜34歳の障害者のうち85%が孤独を感じているという(政府の記者会見)。

本コラムでは、20年後に一人暮らしが4割となる日本社会を見据えた超・ソロ社会論や、独身者の割合が急増する生涯未婚時代論を肯定的に紹介した(参照「家族はコスパが悪すぎる?結婚しない若者たち、結婚教の信者たち」)。

近未来の日本においても、孤独と社会的孤立は無視できない問題となるだろう。

実は出版界でも、孤独はちょっとしたブームのようで、岡本純子『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)、橘木俊詔『男性という孤独な存在』(PHP新書)、ジョン. T. カシオポ『孤独の科学』(河出文庫)など、良書が続々と刊行されている。

 

「世界一孤独な国民」は日本人

特に『世界一孤独な日本のオジサン』に書かれている内容は、すでにオジサンである筆者にとっても、衝撃的であった。

「ありとあらゆる病気を引き起こす可能性のある最も危険なリスクファクターである孤独」(p.10)のリスクは、1日たばこ15本を吸うことに匹敵し、肥満の2倍高い。
さらに心疾患リスクを29%上げ、20%早いペースで認知機能が衰え、アルツハイマーになるリスクが2.1倍になるという。

いくらタバコを控え、過度な肥満にならぬよう運動やダイエットに勤しんでも、孤独であるというだけで、元も子もなくなってしまうのである。

しかも岡本氏によれば、「世界一孤独な国民」は日本人だという。

種々の国際比較のデータによると、日本人は家族以外のコミュニティ(中間集団)とのつながりが薄く、社会の結束力や人間関係の豊かさを示す「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」の指数は、149ヵ国中101位。日本はソーシャル・キャピタル「最弱国」の一つに位置する(p.50-55)。

また年齢を重ねると不幸に感じる人が増えていくのも、先進国では日本だけであるという。

孤独が国民病となっている日本にあって、特に注意が必要なのが中高年の男性である。

退職後、家族の「粗大ごみ」と化してひきこもったり、妻の死後生きる意欲をなくしたり、近所や地域に溶け込めず、自慢話やクレイムばかりで「老害」化する男性――。

本書に登場する中高年男性の姿は、まるで我がことのように痛々しい。