プロが教える「滑舌のいい声」をつくる、驚きの方法

「舌力」を鍛えれば劇的に変わる
篠原 さなえ プロフィール

■ついに真犯人を発見

それでもあきらめきれず、古い友人が矯正歯科医をしているのを思い出して、最後の望みを託しました。すると―。

「下顎が前に出るのは、舌に筋力がなく、通常は上顎についているべき舌が、下がっているからだ。舌が下がると、下の前歯がいつも舌で押されるために、下顎が前方へ出てしまうのだ」

と教えてくれたのです。それまで私は「下顎が出ているから、舌が下がる」と考えていました。ところが、実は逆だったというのです

犯人は顎かと思ったら舌の筋力不足だった! それは大きな衝撃であり、私には「神の啓示」にも思えました。

それからは、生徒たちの舌を徹底的に鍛えました。パワーがついたら、常に舌の力を入れたまま五十音をつくるよう指導しました。すると、改善の見込みがなかった人たちの滑舌までが、どんどん変わりはじめたのです。

これが、私が「舌力」と出会うまでの道のりです。そしてこのほど私は、こうした追求の成果をもとに『日本人のための声がよくなる「舌力」のつくり方』(講談社ブルーバックス)を上梓しました。

この本では、「舌力」をつけるために特化した簡単で効果抜群のトレーニングも紹介しています。舌力はあなたの声を魅力的に変え、職場で学校で、あなたの印象を劇的に変えてくれます。

しかも舌力は、見た目や健康にも大きな変化をもたらします。明日からのあなたを大きく変える第一歩をぜひ、この本で手に入れてください。

しかし一方では、「舌力がどうしてもつかない」という人もいます。この本は、その理由の解明も大きなテーマになっています。そこには幼少期からの鼻や歯の問題がからみ、一筋縄ではいきません。

私にとって犯人探しの旅は、まだまだ終わっていないのです。

読書人の雑誌「本」2018年5月号より