2017年の「ツカラボ」キックオフセミナーにて 写真提供/エー・ピーカンパニー

「消費・浪費・投資」の違いを知る学生だけが、後悔しない就活をする

「内定率100%セミナー」の教え

就職活動をしているアルバイトを対象に、「ツカラボ」という就活セミナーを開催し続けてきた、エー・ピーカンパニー副社長の大久保伸隆さん。

他社への就活を応援? と一見驚くが、それにより、エー・ピーカンパニーが経営する居酒屋『塚田農場』は就活を理由にした離職が減り、アルバイトの定着率が2倍以上(アルバイトのうち、ツカラボ参加者29ヵ月、非参加者14ヵ月)高くなった。

中でも、「仕事をする」上で最初に知っておいたほうがよい「お金の話」は、参加した学生たちからも「こんなことを教えてもらったことはなかった」と大好評。5回以上参加した就活生の100%が内定を手にしている人気の就活セミナーとなっている。

前回は「お金の稼ぎ方」を考えることで、自分が何をしたいかを深堀りするきっかけを与えていることをお伝えした。今回は、「お金の使い方」「貯め方」の切り口から大久保さんが伝える、既成概念を疑うことで自分の価値基準を高くする方法、そしてそれに伴いより自分に合った就職先を選ぶ方法をご紹介する。

ツカラボはその年の8月にキックオフセミナーとして、3月まで毎月1回行っている 写真提供/エー・ピーカンパニー

国は、こっそりカツアゲしている?

『お金をどう貯めるか』、これはつまり、『稼いだお金をどう管理するか』ということです。塚田農場でアルバイトをしているツカラボ生は、給与明細をウェブ上で見られるようになっていますが、自分の給与明細をきちんと確認している子はほとんどいません。

僕もそうだったので非難はできませんが、社会人になれば所得税の他に、2年目からは住民税も引かれるし、社会保険も雇用保険も引かれ、さらに税金も保険料もここ16年でどんどん上がって、年収700万のサラリーマンの場合だと、手取りが50万も下がっています

国は、会社には給与を上げろ上げろと言いながら、天引きでこっそりカツアゲする仕組みをつくっている。自分の手取りを少しでも上げたいなら、給与明細だけでなく、こういう仕組みや年末調整や確定申告の制度も知っておいた方がいい」

 

1ヵ月で87億円売り上げる「あの仕事」

日本人には美徳とされる「貯金」についても、大久保さんはその是非を問う。

「最近は銀行のビジネスモデルも変わってきています。僕が好きなコミック『インベスターz』では、銀行の語源はイタリア語で肘掛椅子、座っているだけでお金が儲かるという意味だと紹介していました。貧乏人からは住宅ローンの金利、金持ちからは金融商品の手数料、預金を又貸しして利子の差額で楽して儲けられていた時代もあったかもしれませんが、今は低金利が長く続き、こうした利益構造も危うくなってきているようです。そのうち貯金しても利子がつかないどころか、口座維持手数料を取るようになるかもしれません。

他方、別のビジネスモデルで賢く儲けている銀行もあります。ATMをコンビニに置き、手数料中心のATM事業で年に1,037億円稼ぐセブン銀行です(2017年度3月期)。火事や泥棒に備えて預金したくなる気持ちはわかるし、コンビニでお金がおろせるのは確かに楽ですが、手数料による1カ月86億円の売上の出どころが、僕たちの貯金だと思うと、なんだかもやもやしませんか。

また、大きな買い物や起業のために、今すぐでなくても、将来的に銀行からの借り入れを考えているなら、通帳の履歴はきれいにしておくべきです。たとえ通帳を処分しても、過去の入出金データはすべて残るので、銀行からは履歴でお金の教養が見られます。

さらに、クレジットカードを何枚も持っている人がいますが、僕的にはお勧めしません。たくさん持つと、管理しきれなくなるし、そもそもキャッシング枠を増やすためにカードを作るという人もいるようですが、限度額はカード1枚でも複数枚でも一緒なので、2枚が適当だと思います」

大久保さんのバイブルの一冊だというコミック『インベスターZ』