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トランプ率いるアメリカは、日本の為替についてこう考えている

当面は円安が進みそうだが

4月17日、18日の日米首脳会談で、米国からわが国の為替管理に関する表立った批判はなかった。それに胸を撫でおろしている市場参加者は多いはずだ。1月以降、トランプ大統領を中心に米国政府関係者の不規則発言がドル安圧力を高めてきたからだ。

3月下旬から4月上旬にかけ、為替相場での大手投資家のポジション(持ち高)は円売りから円買いに転じた。需給面から言えば、円買いは一服した可能性がある。5月連休中の海外旅行によるドル買い需要も加わり、ここから数週間は円安が進む可能性がある。

ただ、それで中長期的なドル高・円安が始まったと見るのは尚早だ。恐らく、その後はドルが不安定化する可能性がある。その要因を考察する。

 

気になる原油上昇

米国経済は、雇用を中心に緩やかな回復を維持している。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では従来以上に利上げを重視する姿勢が示された。言い換えれば、6月利上げへの地ならしが進んでいる。それを反映して、米国の金利は上昇トレンドにある。内外金利差の拡大は、ドル高、円安を支える要因だ。

それに加えて見逃せないのが、原油先物価格の上昇だ。19日のニューヨーク時間、WTI原油先物価格は1バレルあたり69ドルを超える水準に上昇した。これは2014年下旬以来の水準である。原油価格が上昇している背景には、世界トップクラスの産油国であるサウジアラビアが原油価格を引き上げようとしていることが影響している。

サウジアラビアは中東地域におけるイランの影響力の低下を狙っている。サウジのムハンマド皇太子はトランプ大統領と対イランでの強硬政策が必要との見解を共有している。加えて、5月12日に米国政府は、議会に対してイラン制裁を再開するか否かの是非を報告する期限を迎える。

リスクシナリオとしては、サウジと米国が協調しイランから輸出される石油のドル決済を制限するなどし始めれば、原油価格には一段の上昇圧力が加わるだろう。

サウジアラビアは原油価格を上昇させ、財政立て直しとサウジアラムコの上場から利益を得たい。原油価格の上昇はシェールガスやオイルの価格を支え、米国経済にもプラスだ。

サウジアラビアとイランの関係悪化への懸念が高まるにつれて原油価格には上昇圧力がかかり、それが米国の物価上昇観測を高めるだろう。これは当面のドル買いを支える要因だ。

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