知っていますか?本当の「平熱」の測り方

自分の平熱を知らない人は要注意!
週刊現代 プロフィール

体温は一日の時間帯によっても変化している。朝起きた後は体温が低いが、昼から夕方にかけては体温が上がり、再び夜に向けて下がっていく。自分の平熱を把握するためには、毎日同じ時間に計測することもポイントとなる。

どれくらいが「平均的な平熱」なのか。日本老年医学会雑誌に掲載された研究では、人間ドックに入所した男性931人の体温を調べたところ(午後2時に計測)、平均は36.26℃だった。

「平熱の高い、低いには、個人差があります。太った人は体温が高そうなイメージがありますが、冷たい脂肪が多いので腋窩温は低くなりがちです。

一方、なかには平均の腋窩温が37℃台の人もいます。実際、私は平熱が37℃です。よく『体が熱い』と言われます」(前出・永島氏)

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個々人の平熱の違いによって、様々な「感じ方」にも差が出てくる。

「たとえ同じ37℃の熱であっても、普段の平熱が低い人は、平熱が高い人に比べて、体はキツく感じるし、症状も重い可能性が高いのです」(生命創成探究センターの富永真琴教授)

体温が高ければ「暑がり」に、低ければ「寒がり」になるという傾向もある。

さて、平熱に個人差があると言われて何よりも気になるのは、どのくらいの体温が理想的なのかということだ。前出の鄭氏はこう語る。

「私の考える理想的な体温は、腋窩温で36.5℃を超えることです。上は37.0℃くらいまでは十分正常な温度と言えます。平熱が37.0℃というと驚かれるかもしれませんが、このくらいの体温だと、むしろ臓器は健康で、血行も非常にいい状態にあることが多いと思います」

鄭氏が指摘するとおり、体温が高いと、まず体内の様々な器官が活発に働くようになると考えられている。

名古屋大学大学院医学系研究科・統合生理学分野で生理学を専門とする中村和弘教授が解説する。

「体の内部では様々な化学反応が起きており、そのことによって臓器は機能していますが、体内の温度が高くなると、その反応が速くなります。

たとえば、肝臓は有害なものを外に出す『解毒』の機能を果たしますが、この際、『酵素』と呼ばれるタンパク質が働いています。体温が高いと、酵素の処理速度が上がり、解毒の機能が活発化、活性化すると考えられています」

 

免疫力も上がる

筋肉にも同じことが言えるという。筋肉を温めることによって、体内の化学反応が活発になり、効率よく、スムーズに筋肉が動くのである。

体温が高く、臓器や筋肉が活性化していれば、自然と活動的になり外出への意欲も出るだろう。一方で、体温が低ければ体が動きにくく、出不精になってしまう――そう考えれば、体温は、人生を左右する影響力を持っているのである。

続いて体温と免疫の関係はどうか。「体温が上がると免疫力が上がる」という話を聞いたことがある人もいるだろう。

前出の中村氏が言う。

「免疫細胞には、体内の温度が高くなると攻撃活性が上がるものが存在すると指摘している論文があります。また、動物実験ですが、ウサギをわざと細菌に感染させて、薬で発熱を起こさないようにすると、致死率が高くなるという論文もあります。

つまりこれは、体温を上げることが、免疫細胞の活性化につながっているということ。体温と免疫力の関係を支持する科学的事実は存在していると言えます」

前出の富永氏も体温と免疫の関係について、こう話す。

「最近では、インフルエンザになった患者でも、熱が39℃を超えなければ、積極的には解熱剤を使いません。体温が高いほうが、免疫が活性化することがわかってきたからです」

反対に、体温が低い人は、風邪など感染症にかかりやすいこともわかっている。