中国のLGBTはいま、こんな差別を受けている

ゲイ、腐女子もあやうく禁止の恐れアリ
安田 峰俊 プロフィール

他の中華圏では…?

もっとも、いっぽうでこの問題を指摘する旗振り役だった同性愛者アカウント『同志之声』には圧力がかけられたらしく、14日には「不可抗力の原因で、無期限の運営停止」が微博でツイートされて波紋を呼んだ(同性愛投稿が“名誉回復”された4月16日に投稿復活)。

「シャンハイ・プライド・ウィーク」のホームページ。なんと10周年

近年、中国では同性婚の受け入れをめぐって男性の同性カップルが地方政府を訴える(訴状が受理された上で敗訴)など、同性愛者による権利主張がしばしばおこなわれるようになっている。これまで極端に差別的な扱いがおこなわれていた中国の社会において、一種の公民権運動と化していると言ってもいい。

ちなみに、他の中華圏地域である台湾や香港では社会における同性愛への許容度が高い。特に台湾では2016年8月に30代のトランスジェンダーの社会運動家が蔡英文政権のデジタル担当の閣僚に就任したり、昨年5月にアジアではじめて同性婚の合法化の方針が示されたりと、多様な性のありかたに対して非常に寛容だ。

 

中国においても、都市部のリベラルな市民を中心に、同性愛者の権利擁護や社会的地位の向上について好感を示す人は増えてきている。昨年7月、河南省で精神疾患扱いをされて強制投薬治療を受けた同性愛者の男性が勝訴するなど、末端の司法レベルですらも理解を示す動きが出ている。

習近平政権の特徴は、ごく少額の友人同士の賭博行為や個人的なコスプレ行為のような、従来は「個人の自由」で済まされていた範囲にまでイデオロギーの統制のタガをはめたがる点だ。同性愛への締め付けも同様の文脈のなかに位置づけられるとみられる。

ただ、同性愛問題は都市部を中心に支持者や理解者が多く、締め付けへの反発が大きい上に、容認したところで社会に大きな悪影響をおよぼすとも思えない。当局は今後もその対応に頭を悩ませることになりそうだ。