凄腕プライベートバンカーが赤裸々に明かす「お金の増やし方」の鉄則

彼らはこうして年率10%を可能にした

著者は屈指の「プライベートバンカー」

最近発売された『プライベートバンカー驚異の資産運用砲』を読んでみた。著者の杉山智一氏は、ジャーナリストの清武英利氏の著書『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』に、主人公として実名で登場する人物ご本人だ。

ちなみに、「資産運用砲」の末尾の「砲」は、「文春砲」といった言葉で使われる「砲」にちなんだもので、運用方法の威力を強調しようとしたタイトル付けだろう。表紙には「元金5000万円で毎年500万円のリターン」、「国内では絶対無理」との文字が躍る。

著者が望むような読み方であったかは別として、筆者には大変面白い本だった。特に、資産運用について考えておられる富裕層ないし準富裕層の方にご一読をお勧めする。

杉山氏が言う、年率10%をコンスタントに叩き出す運用は、どのように可能なのだろうか。

 

著者は、大変親切率直な方であると見えて、p74〜75の2ページに及ぶ図解で「スギヤマスペシャル・プラン1」として、表紙に謳うケースのスキームを明快に図示してくれている。

これによると、顧客が45歳であると仮定して、元金5000万円で、死亡保険金約3億2000万円の生命保険を確保しつつ、計算上元金に対して年率約10%に及ぶ資産運用の方法が公開されている。

完全なネタバレにならない程度に、筆者なりにスキームを説明すると、元金5000万円を1500万円(保険用)と3500万円(ハイイールド債ファンド用)に分け、前者には8500万円、後者には5500万円の融資をプライベートバンクから受けて、1億円を海外の生命保険契約(もちろん外貨建てだ)に回し、ハイイールド債ファンドの運用利息を借り入れの支払利息に回すようなスキーム。

時間が経過してから(保険の解約返戻金は約4年で損益分岐点に達するという)保険を解約するなら、5000万円に対して10%の利回りになる毎年500万円が期待出来るという仕組みだ。

言葉で説明しただけでは分からない方が多かろうが、そういう方はお金(本体840円・税別)を惜しまずに本を買って、図解をよく見て欲しい。金融マンの端くれである筆者が見て、話に嘘はないと思う。

もう一つ、この「スギヤマスペシャル・プラン1」に嘘がないと思えるのは、①利回りは外貨建てであること、②借り入れによる大きなレバレッジ(元金5000万円に対して1億4千万円借り入れている)が掛かっていること、レバレッジを掛けた上で③ハイイールド債や保険会社の信用リスクを負担し、④為替リスクや、⑤金利リスク(ハイイールド債は利回りが上昇すると価格が下落する)を取っていること、など相当に大きなリスクを取っているスキームだからだ。つまり、金融論的に見て「特別にうまい話」はどこにもない。

海外での運用だから、プライベートバンカーが富裕層向けに運用するからといって、特別に上手く運用する方法はない――ということは、この本から投資家が学ぶべき重要な教訓の一つだ。