# 風俗

ハロウィンはOK、イースターは流行らない…私たちの「文化的事情」

ディズニーランドは熱心だが
堀井 憲一郎 プロフィール

忙しい時期に外来の祭りはいらない

キリスト教のイベントは、わが国では、宗教色をきれいに抜かれて定着している。

だいたいアメリカ経由でやって来たものである。サンタクロースはアメリカのものだし、ハロウィンもアメリカの祭りである。

イースターも宗教色を抜いて、タマゴとウサギの祭りとして展開しようとしているらしい。しかし、日本でそんなに盛んになるとはおもえない。

ひとつは、移動祝祭日であるということ、その理由がこのイベントの根幹に(宗教的な奇蹟)かかわることだということである。しかしそれは陰の理由である。

大事なのは「忙しい時期に外来の祭りはいらない」ということに尽きる。

3月末から4月の半ばまでは、年度替わりの時期なので、日本人はとても忙しいんである。

卒業旅行の時期でもあるし、新入生勧誘の時期でもあるし、新人が入ってくる時期だし、転任した新しい土地に行く時期でもある。そんな時期の日曜日をひとつ、よくわからない祭りで騒ぎませんかと言われても、いや、ちょっと忙しいんでもう少し先にしてくれないか、と言いたくなる。

つまり、イースターは9月から新学期を迎える国向けのイベントだってことです。

そしてもうひとつ、たぶん誰も指摘してないけど、この時期の日曜は「お花見」とかぶる可能性が高い、ということがある。

桜がいつ開花して、いつ満開になって、いつお花見に行けばいいか、連日ニュースで報道しているこの国では、花を見ることが国を挙げてのイベントなので(書いていてとても不思議な話だけれど、でも実際にそうである)、そこにイースターが割り込む余地はあまりないとおもわれる。

今年の4月1日は、ソメイヨシノにまだ散らないでくれ、と祈ってる人が多くて、イースターエッグのことは忘れてた人が多かったはずである。

5月の後半にディズニーランドでイースターエッグを探すというのが、たしかに日本人としては落ち着くイベントである。その時期のイベントをイースターと呼んでいいなら、ということになるけど(ちなみに今年はシーのほうでやってます。5年ごとにランドのイースターは休みになる。今年は5年ぶりの休み年)。

ほんもののイースターは、9月新学期のキリスト教国にまかせておいていいとおもう。

愛と狂瀾のメリークリスマスなぜ異教徒の祝祭が日本化したのか? ずんずん調べたら、日本人とキリスト教の不思議な関係が見えてきた