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ハロウィンはOK、イースターは流行らない…私たちの「文化的事情」

ディズニーランドは熱心だが
堀井 憲一郎 プロフィール

東京ディズニーランドの「閑散期対策」

東京ディズニーランドでイースターを盛んにやっているのは、これは「閑散期対策」だと、私はおもっている。

ディズニーではだいたい4月から6月までの3ヵ月間、イースターイベントを行っている。

そして東京ディズニーリゾートは、4月から7月が比較的すいているのだ。

4月の第2週から、つまり春休みが終わると夏休み前までディズニーはすく。行くなら今、である(さすがに大型連休は混んでますけど)。

そのすいている時期は、かつて(2010年以前)は何のイベントもなかった。いや、何かやったほうがいい、ここにも人を呼ばないといけないだろう会議が開かれ、それにはイースターである、と決定されたものだとおもわれる。

さりげなく、昔からやってるかのように、しかもイースター当日を遥かに越えて6月頭まで(だいたい梅雨入りの少し前まで)やっている。

イースターが移動記念日であることをうまく利用しているようにおもう。

クリスマスもハロウィンも、その当日までのイベントで、ハロウィン飾りは10月31日かぎり、クリスマス飾りは12月25日かぎりで撤去される。閉園後、夜を徹して撤去してるんだとおもう。翌朝にはきれいさっぱりなくなっている。

それに比べて、イースターは「いったいいつがイースターなのか」ということがあまり知られてないこともあって、当日を過ぎても、しらっと2ヵ月ほどイベントを続けている。やや不思議である。

(ちなみに2014年、2015年のディズニーイースターは4月2日からだったが、2016年は本物のイースターが3月27日だったので、さすがに4月開始というわけにはいかず、3月25日から開催されていた。ちょっとこの混雑期に面倒なことだなあ、というスタッフのぼやきが聞こえてくるようだった。)

 

人は死んだ日で記憶されてきた

神の子イエスが降誕した日は、つまりクリスマスですが、これは日付が決まっていて、ご存知のように12月25日です。

そのあと彼は30年あまり生きて、死刑になる。死刑のあと、2日して復活するわけだが、この日付はわかっていない。

「満月の次の日曜」である。

ちょっと変ですよね。

古いほうの出来事が「12月25日」とくっきり日付がわかっていて、それより30年ほど新しい出来事が「春の満月の次の日曜」としかわかっていない。ちょっとおかしい。

キリスト教としては「復活」がとても大事なので、そっちの日付は当時からしっかり記憶していて、でも、「降誕の日」はあとから必要になったので、そのときになって適当に決めた、と、白状しているかのようである。

クリスマスがずいぶん後になって勝手に決められたというのは、べつだん私の意見ではなく、クリスマス研究のいろんな書物にそう書かれている。

その昔、人は誕生日で記録されずに、死んだ日で記録されていた。戦国時代でも江戸時代でもそうだし、古いローマ教皇の記録もそうなっている。人は死んだ日で記憶する。それが人間社会の本来の習慣である。

天正10年6月2日に死亡、享年49、という記録があって、それで生まれ年を逆算して調べるというのが基本である。

だからイエスは春に死刑になった可能性はそこそこあるとおもうが、冬至の時期に生まれたというのは、たぶん、まったくのでたらめだとおもわれる。