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今夏にも閣議決定「第5次エネルギー基本計画」は日本の未来を描くか

重要な課題が山積みだが…

複線シナリオ?

2050年を目指した長期的なエネルギー政策について議論する経済産業大臣の私的懇談会「エネルギー情勢懇談会」が4月10日、「エネルギー転換へのイニシアティブ」と題した提言をまとめた。

脱炭素化に向けたエネルギー転換が急速に進んでいくとしながら、「可能性と不確実性に着目した野心的な複線シナリオ」を描くべきだとしている。

本来この懇談会は、日本が将来にわたって「原子力発電(原発)」とどう向き合うのかを示すことが期待された。提言書でも「取りまとめに当たって踏まえた点」として、以下のような文章が書かれている。

「福島第一原発事故が原点であるという姿勢は一貫して変わらない。我が国は、原子力の位置づけを考察し続ける責務がある。2050 年のエネルギー戦略を構想するに際して、エネルギーの選択肢の1つである原子力の検証・検討は不可避であり、この提言は、福島第一原発事故の教訓をどういう形で示していくのかという問いかけへの回答でもある」

ところが、提言では、真正面から原子力を扱う事を避けている。

懇談会の設立に当たって、経産大臣から2050年のエネルギー戦略のシナリオを描くよう求められたにもかかわらず、可能性と不確実性が混在する今後30年間のシナリオをひとつに決め打ちすることはむしろリスクだとして、「複線シナリオで行くべきだ」という回答を出した。

あえて言えば、「脱原発」をシナリオに乗せることだけは外した、と言えなくも無い。脱炭素化のためには、再生可能エネルギーも、原子力も、という「複線」のシナリオである。

 
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