カリスマ副社長が就活生に教える「お金の稼ぎ方」

他企業に就活する学生に伝えたいこと
大久保 伸隆 プロフィール

高収入を得るための「3つの壁」

大久保さんはツカラボでセミナーを開くにあたり、自身の企業経営の経験の他に、膨大な書籍やブログから得た知識を紹介するようにしている。この「年収の壁」については、『未来を作るキャリアの授業 最短距離で希望の人生を手に入れる』(渡辺秀和著 日経ビジネス文庫)を読んで納得したという。その壁とは、本から一部引用すると次の3つだ。

1つ目は、階層の壁。資本主義社会は、大きく分けると資本家、経営者、従業員の3層からなっている。それは、500万円の従業員を年収5000万円の経営者が雇い、その経営者を年収5億円の資本家が雇うなどと言われる構図で、億単位の収入を目指すなら、従業員側で熾烈なポジション争いをするより、いっそ自分で起業してしまうのもありなのではないかというもの。

2つ目は、外資の壁。決算の時期に開示される経営者や役員の合計報酬額が、日本企業と外資の差が1桁違うように、外資系と日系の間には、すべてとは言わないまでも、同じ業界の同じ仕事でも年収差がある。つまり、年収アップの方法として、語学力を上げて、外資を狙うのも一つの手立てと言えるのでは、という話。

3つ目は、業界の壁。例えば、情報システムの仕事をするにしても、大手金融機関と大手メーカーの社内情報システム部門では、年収にしておおよそ200~400万円の差がある。個人のスキルはそれほど変わらなくても、明確な年収差が生まれるのは、利益構造が違い、一人当たりの利益額に差があるから。同じスキル、同じ仕事内容でも、入る業界で稼げる金額は変わるという。

いずれも社会に出て数年経てば見えてくる現実ではあるが、就活の入り口では見えにくい。大久保さんは「壁の存在」を就活生には是非知ってほしいという。

 

大切なのは「プロ意識を持つこと」

「何をして稼ぐかは、かなり多様化していますが、何をするにしてもプロ意識を持つことが大事だと思います。店に立てば、お客さまの目にはプロとして映るので、塚田農場ではアルバイトに対しても、そこは厳しく言っています。

僕の言うプロとは、例えばテレビでよく見るさかなクン。さかなクンは、誰よりも魚についての知識を持ち、魚を愛し、今の仕事を楽しんでいます。他にも、よく知られている人で言えば、家事えもんや、お掃除コンサルタントのこんまりさん。

好きなことを楽しんでやり続け、その世界にいる1万人の人たちの頂点になるまで極められれば、今ある職業の枠を超えて稼げるだろうし、サラリーマンの4%しかいない年収1千万も夢じゃなくなります。とはいえ、誰もがさかなクンになれるわけではないので、個人事業主になって、数社を掛け持ちする、パラレルキャリアなども紹介しています」

2015年、TIMESが選ぶ「最も影響力のある世界の100人」に選ばれた「片付けコンサルタント」の近藤麻理恵さんが女優のジュリアン・ムーアらと。こんまり流片付け術は、幼い頃から好きだったことに起因するという Photo by Getty Images

一方で、会社が与えてくれる、福利厚生の厚さも話す。入社するだけで自動的に加入される健康保険や労働保険は、会社も同額負担しており、病気や怪我、出産や育児休暇中には生活費の補償もあるという事実は、意外に知られていない。そうした会社員のメリットをふまえつつも、企業から内定をもらう就活が、働き方のすべてではないことに気がついてもらえればいいと言う。

「稼ぐとは何か」を考えることは、「自分はどう働きたいのか」を考えることになる。就活生が安心して「どう働きたいのか」を考えてスムーズな就活ができれば、アルバイトとして定着し、いずれには社員か、顧客にもなりうる。他社に就職をしようとする学生アルバイトをバックアップする一見不思議な就活セミナーは、大久保さんの逆転の発想から成り立っているのである。