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あなたの会社にも必ずいる「改ざん君」と「隠蔽さん」の見抜き方

デキる社員ほど手を染める

都合の悪いものは偽装して徹底的に隠す。これは安倍政権周辺に限った話ではない。しかも、上昇志向が強かったり、頭がキレる人ほど忖度してやってしまう。あなたの会社にもそんな人いますよね。

動機、機会、正当化

「いやぁ財務省の人を見ているといたたまれないですよ。ウチの銀行でもね、2~3年前、取引先の企業に対する融資の稟議書を改ざんした社員がいました。

実際は経営がヤバいのに『新規開拓で来期は大口案件を受注予定』『事業を拡大し、将来的に3割の売り上げUPが見込める』とあることないことを盛って、1億円の融資を通してしまったんです。

いけないこととはもちろんわかってたはずですが、本部の融資部長からのノルマに追われた支店長が『何が何でもノルマを達成しろ!いいか、これは本店案件だからな!!』とやたらプレッシャーをかけるんで、つい支店長の立場を忖度してやっちゃったんですよね。なまじ実績もあってデキるヤツだったから」(メガバンクの30代行員)

結局、3年もたずに相手先は倒産。あっさり改ざんがバレてしまった。

「当時、稟議を通した支店長はもう栄転していて、後任の支店長が尻拭いをすることになりました。支店長は、本部に報告すると自分の失点になるかもとビビッて『(改ざんは)そもそもなかったもの』として処理しようとしていた。

でもそれは通らないじゃないですか。そしたら支店長は『どうするんだ!お前の責任だからな』と担当者をみんなの前でシメて、俺は知らないからなと開き直ってしまった。

まあ融資を実行したのは、その支店長じゃないから怒るのもわかるんだけど、なんだかね……。いまの国会を見ているとああ、ウチも同じだなあと思いますよ」(前出・行員)

 

財務省の文書改ざんに自衛隊の日報隠し、加計学園問題では「首相案件だった」という記録文書が発見されるに至った。

その過程で明らかになったのはキャリア官僚たちが、安倍総理や組織、自らを守るため、持てる限りの能力を使って「その場しのぎ」をしてしまう愚かさだった。

「改ざんや隠蔽をするのは単なる私利私欲に溺れたダメ社員だけではありません。じつは優秀で会社から期待されている人こそ、上司の意向を汲み取り、先回りして行動した結果、不正に手を染めてしまうのです」(経営コンサルタントの中沢光昭氏)

事実、東芝の不正会計問題、三菱自動車の燃費改ざん問題など、日本を代表する企業や組織でも「改ざん」君や「隠蔽」さんは跡を絶たない。

マネジメントコンサルタントで株式会社ヒューマンテック代表の濱田秀彦氏は「改ざん、隠蔽などを含む不正行為には3つの要因」があると言う。

「それは動機、機会、正当化です。私はこれを『不正のトライアングル』と呼んでいます。このなかで、一番始末が悪いのは正当化です。不正をする動機や機会というのはだれにでもある。

でも実際に改ざんや隠蔽をやらないのは、その行為を正当化しないから。『いくらなんでも、それはまずいだろう』と、みんな踏みとどまるんです。

ところが『社長案件だから絶対に失敗できない』『組織を維持するためには不正も仕方ない』と正当化し始めると危険です。これこそが、会社でエースと呼ばれる人が不正に手を染めてしまう要因なんです」