大人気「新型タバコ」に害はない?禁煙に役立つ?今わかっていること

マナーの問題ではなく、命や健康の問題
原田 隆之 プロフィール

「禁煙に役立つ」は本当か

加熱式タバコ支持派の意見として、「禁煙に役立つ」というものがある。

その一方で、せっかく禁煙しようとした人が、「加熱式タバコに乗り換えたから、これで安心」となってしまえば、禁煙の流れに水を差すという意見もある。

加熱式タバコに乗り換えることは、禁煙の助けとなるのだろうか。

かつて、ニコチン1mgなどの「軽いタバコ」が発売されたときも、同様の議論があったが、答えは「ノー」だった。

なぜならば、喫煙者はニコチンの血中濃度が一定に達して、主観的な満足感が得られるまでニコチンを摂取する(つまり喫煙する)傾向にあるからで、軽いタバコに乗り換えても、無意識により深く吸引したり、本数を増やしたりして、ニコチン摂取量自体は変わっていないというデータが多く見出されたからである。

実際、今年発表された加熱式タバコに関する研究では、尿中のニコチン代謝物の量は、加熱式タバコ喫煙者のほうが紙巻きタバコ喫煙者よりも多かった。また、発がん性の評価においては、両者に違いはなかった2

〔PHOTO〕gettyimages

さらに、電子タバコに乗り換えた人のほうが、禁煙が困難だったという研究データもある。

これは、これまでに世界中で発表された38の研究データをまとめたメタアナリシスと呼ばれる方法で見出されたデータで、やはり権威ある医学誌Lancetに発表されたものである。

そこで明らかになったことは、電子タバコ使用者のほうが、喫煙の成功率が28%低かったということであった3

わが国でも、国立がん研究センターの調査によって、電子タバコによって禁煙に取り組んだ人は、禁煙外来などその他の方法で取り組んだ人より、禁煙成功率が約4割低いことが見出されている4

 

受動喫煙の心配はないか

それでは受動喫煙の害はどうなのだろうか。

まず、押さえておきたいことは、 世界保健機関(WHO)を始め、日本の学会等も繰り返し警鐘を鳴らしているように、受動喫煙に「安全なレベル」というものはないということである。

特に、高齢者、子ども、病気を抱えた人々にとっては、少しの受動喫煙も大きなダメージを受ける。

受動喫煙に対しては「少しくらいは受忍の範囲である」という主張は社会通念だけでなく、医学的なエビデンスをもっても受け入れられるものではない。

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