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習近平がアジア最大級の会議で披露した「自信満々スピーチ」その全容

「この国は米国を逆転する」

グローバリゼーションの牽引役として

「中国の開放の大門は、閉まることがない。ただますます大きく開くだけだ!」

習近平主席の自信に満ちた声が会場に響くと、2000人以上の参加者たちから、割れんばかりの拍手が起こった。

先週、米中貿易戦争の舞台は、中国最南端の島、海南島に移った。4月8日から11日まで、「中国版ダボス会議」ことボーアオ・アジア・フォーラムが開かれたからである。

ドゥテルテ・フィリピン首相、李顕龍シンガポール首相、フレルスフ・モンゴル首相、グエン・ベトナム首相、アバシ・パキスタン首相らが、前方の「貴賓席」に陣取った。

 

いや、忘れてならない「貴賓」が、もう二人いた。グテーレス国連事務総長と、ラガルドIMF専務理事である。

世界政治と世界経済の責任者である二人は昨年来、明らかにアメリカよりも中国に「傾倒」している。政治的に見れば、アメリカは相変わらず自由民主主義陣営の超大国で、中国は社会主義の一党独裁国家である。だが経済的に見れば、中国は世界の自由貿易とグローバリゼーションの牽引役であり、アメリカは保護主義と一国主義の鎖国国家となりつつある。

特に、トランプ大統領が3月22日に、中国からの輸入品に対して600億ドル(約6兆3300億円)規模の関税を課すと発表してからは、ますますアメリカは世界経済の「ヒール役」である。逆に中国は、「自由貿易とグローバリゼーションの最大の保護者」となっているのである。

そんな中で、4月10日午前9時半、習近平主席が40分にわたる基調演説を行った。タイトルは、「開放し共に創る繁栄、新たに創りリードする未来」。その要旨は、以下の通りだ。

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「海南島の民歌に、『久しく会っていなかったり、会っていたり。久しく会っていても、また会いたくなる』という歌がある。今日皆さんにお会いして、私は非常に嬉しい。

ボーアオ・アジア・フォーラムは設立以来、アジアに軸足を置いて世界を見据えながら、アジアのコンセンサスを堅固にし、経済のグローバル化を推進してきた。今大会は、『開放とイノベーションのアジア、繁栄と発展の世界』をテーマにしている。

2018年は、中国が改革開放政策を始めて40周年であり、海南省が経済特区になって30周年だ。海南省はまさに『改革開放によって生まれ、改革開放によって栄える』。

1978年に、鄧小平先生がリードして、改革開放政策を始めた。いまや中国は、世界第二の経済大国、世界一の工業国、世界一の貿易国、世界一の外貨準備国となった。この40年の平均成長率は約9.5%で、対外貿易額の成長は平均14.5%に上る。そしてその間、7億人以上を貧困から救った。これは同時期の脱貧困人口の7割以上を占める。

この40年来、中国の特色ある社会主義の道を歩んできた。社会主義市場経済の改革の方向を堅持し、その実践を成功させ、中国の力量を示してきたのだ。

そうした中で、WTO(世界貿易機関)に加盟し、『一帯一路』(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)を各国と共に作ってきた。中国は長年、世界経済の成長への貢献率で3割を超えている。

いまや中国人民は誇らしく言う。『改革開放は中国の第2次革命の場であり、中国を深く変えただけでなく、世界に深く影響を与えたのだ!』。

『天行には常理があり、それに合わせて治めれば則ち吉となる』(荀子)。中国の改革開放は、時代の潮流に合わせて成功したのだ。中国人は2500年以上前に、『民に利するのに古(いにしえ)の法による必要はなく、事を成すのに俗習による必要はない』(淮南子)ということを知っていた。変革を排斥したりイノベーションを拒絶していたら、時代に置いていかれ、歴史に淘汰されてしまう。

歴史の潮流に合わせて、私は人類運命共同体の構築推進を提唱してきた。幸い、ますます多くの国と人民が共感してくれるようになり、国連の重要文件にも組み入れられた。各国の人民が協力し、人類運命共同体の構築に努力し、平和、安寧、繁栄、開放、美麗のアジアと世界を共に創っていこうではないか。

同じ舟に乗って助け合い、提携でウィンウィンを目指し、開放型の世界経済を構築する。G20(主要国・地域)を強化し、APEC(アジア太平洋経済協力会議)などの協力を進め、貿易と投資の自由化と利便化を推進し、多角的な貿易体制を維持、保護する。新技術、新業態、新模式を共同で作り、経済のグローバル化がさらに開放、包容、普遍的恩恵、平衡、ウィンウィンの方向に発展していくよう推進していくのだ。

中国は一貫して、世界平和の建設者であり、全世界の発展の貢献者であり、国際秩序の保護者である。

世界の発展の大勢を総合的に判断するに、経済のグローバル化は不可逆的な時代の潮流である。まさにそのような判断のもとに、私は(昨年10月の)第19回中国共産党大会で、中国が対外開放の堅持を基本国策にすると強調し、国門を打開して建設することを堅持した。私は、中国の開放の大門は閉鎖することはなく、さらに大きく開いていくと、明確に示した!

開放の方向を拡大するため、中国は今後、以下の重要措置を取っていく。

第一に、市場への参入を、大幅に緩和する。サービス業、特に金融業において、いくつかの象徴的な措置を取る。

昨年末に銀行、証券、保険業の外資比率の制限緩和を宣布したが、さらに金融市場での中外提携の領域を増やしていく。製造業については、すでに基本的には開放しているが、自動車、船舶、航空機などの開放を進めていく。

第二に、さらに吸引力のある投資環境を創造していく。投資環境がよくなれば、さらに外資を引きつけられるからだ。

国際的な投資規則と連結し、透明度を上げて、知的財産権の保護を強化し、法に基づいて進め、競争を奨励し、独占に反対していく。今年3月に、国家の市場への監督管理総局などの新たな機構を組織した。今年上半期に、外国企業が投資するネガティブリストを整備し、国民待遇に入っていく前段階として、ネガティブリスト管理制度を定着させる。

 

第三に、知的財産権の保護の強化だ。これは中国経済の競争力強化にとって最大の追い風となる。外資系企業が要求しているが、中国企業はさらに要求している。

今年、われわれは国家知識産権局を新たに組織し、執行能力を高め、違法なコストをあぶり出し、法律の浸透作用を十分に発揮させる。中国企業と外国企業の正常な技術交流提携を展開し、中国国内の外資系企業の合法的な知的財産権を保護する。同時に、外国政府も中国の知的財産権の保護を強化してくれることを希望する。

第四に、輸出を主導的に拡大していく。内需は中国経済発展の基本的な動力であり、人民の日増しに高まるよりよい生活への需要を満足させるものだ。中国は貿易不均衡の数値を目標には掲げず、真摯に輸入の拡大を希望し、貿易収支の均衡を促進していく。

今年、相当程度、自動車の輸入関税を下げる。同時に、部分的な他の産品の輸入関税も下げ、人民群衆の要求が比較的集中する特色ある優れた産品の輸入が増加するよう努力し、WTOの『政府調達協定』に早く加盟できるようにする。

また、先進国が正常で合理的な先端技術産品の貿易停止措置を解除し、対中先端技術産品の輸出制限を緩和するよう希望する。今年11月には、上海で第1回中国国際輸出博覧会を開催する。これは一般的な展覧会ではなく、わが国が主体的に市場を開放していくという重大な宣布であり行動だ。各国の朋友たちの参加を歓迎する。

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私が強調したいのは、これらの対外的な重大な開放措置は、時期的に早いことはあっても遅れることはせず、スピーディではあってもスローにはならないということだ。そして開放の成果が、中国企業と中国人民、世界各国の企業の各国の人民に及ぶようにしていく。

5年前に、私は共に『一帯一路』を建設しようと提唱した。すでに80以上の国家や国際組織と提携の協議に署名した。『一帯一路』を共に作ろうという提唱は中国がもとになっているが、チャンスと成果は世界に属する。中国は地域を挑発したりというちっぽけなことはしないし、閉鎖的、排他的な小グループを築いたりもしないし、強制的な商業行為も求めない。

われわれが示すのは、『一帯一路』建設はまったく新たなものであり、提携の中で意見が一致しないのは極めて正常なことだ。ただそれぞれが共に進んで行くという原則を守り、協力を深め、不一致を減らし、『一帯一路』を経済のグローバル化に順応する広範な国際協力のプラットフォームに仕立て上げ、各国の人民にさらに福をもたらすようにしていくのだ。

『土が積もりて山と為り、水が積もりて海と為る』。幸福で美しい未来は、勝手にやって来るものではなく、人々の蛮勇によって到来させるものだ。開放とウインウインを堅持し、変革とイノベーションを勇ましく進め、人類運命共同体を構築する目標に向かって不断に邁進し、アジアと世界の美しい未来を共に創っていこうではないか!」

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