米中経済戦争で「笑いが止まらない会社」「泣くほどつらい会社」

もし起こったら、こんな影響が
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二度おいしい花王、ニトリ

米中の対立が深まるほど「有事の円」が買われて円高が進むため、より傷口が深くなる。

一方、こうした両国の対立がむしろ「好機」となる日本企業も出てくる。

「たとえばファナック、安川電機などの産業用機器メーカーには『特需』が生まれる可能性があります。というのも、トランプ政権は中国から輸入するハイテク機器などに追加関税をかける予定だが、これは中国の工場で製造している米企業に自国生産を促す狙いがある。

米企業はそうした米政府の意向を忖度せざるを得ず、今後は米国内で工場の設備投資を活発化していくことになるでしょう。

となれば、日本企業の『お家芸』である産業用機器メーカーには需要増となる可能性大。オンリーワンの技術を持つファナックや安川電機は発注増、半導体製造装置大手の東京エレクトロン、島津製作所なども需要増が期待できる」(TIW代表の藤根靖晃氏)

 

前述した大豆、豚肉のケースのように、関税のかけ合い合戦が勃発すると対象商品は価格が下落するため、その恩恵を受ける企業も出てくる。

「たとえば大豆の価格が下落すると、食用油メーカーである日清オイリオグループや味の素などには原料コスト減になる。同じように豚肉の値段が下がると、日本ハム、伊藤ハム、プリマハムなどは恩恵大です。

また、今回中国で作った電子機器が追加関税でアメリカに輸出しにくくなることで、村田製作所、TDKなどの部品メーカーには痛手。

一方、液晶パネル価格は下落する可能性があるので、4Kテレビの製造コストは下がり、ソニー、シャープ、パナソニックなどには好材料となります」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)

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マーケットアナリストの平野憲一氏も言う。

「米中貿易戦争が本格化した場合、じつはダメージが大きいのは中国のほうです。中国政府は景気後退を避けるために内需喚起策を打ってくるでしょうが、その際は公共事業よりも消費喚起策のほうが効きやすい。

たとえば減税などが実行されれば中国国内の消費は喚起されるので、花王、ユニ・チャーム、ファーストリテイリング、ニトリHDなど中国で一般消費者向けビジネスをしている日本企業には強い追い風となる。こうした企業には円高もプラス材料なので、ダブルで業績に効いてくる」