米中経済戦争で「笑いが止まらない会社」「泣くほどつらい会社」

もし起こったら、こんな影響が
週刊現代 プロフィール

総合商社には大逆風

たとえ地球の裏側の出来事であっても、まわりまわって日本人の生活や日本企業の業績に影響してしまうところにグローバル経済の恐ろしさはある。

それが今回は日本の2大貿易相手国である米中間で起きているのだから、その影響を受けない日本企業はないというほどのインパクトがある。

「たとえば日経平均株価の下げ幅が一時1000円を超えた3月末の日本株市場では『海運株』が大きく売られたのですが、これは米中貿易摩擦が過熱すると世界的に貿易停滞が起きる可能性が出てくるからです。

世界の貿易量が減ることになれば、日本郵船、商船三井などの海運大手には業績悪化要因になると懸念されている。

さらに、米中の貿易戦争が激化すれば中国経済そのものが悪化しかねない。中国需要が豊富な建機大手のコマツ、日立建機などには経営悪化要因になります」(松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)

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そうして世界的にモノや人の流れが鈍ってくると、「景気敏感銘柄」の三菱商事、伊藤忠商事、三井物産などの大手商社にも大きな逆風だ。

米中経済戦争をきっかけに世界同時不況への警戒感が高まる中、為替市場では円高が急伸。年始には1ドル=110円台だったのが、一転して104円台をつけるほど円高モードへと様変わりした。いまや1ドル=100円割れが現実味を帯びる中、頭を抱える経営者たちも続出している。

 

「日本企業は想定為替レートを1ドル=105~110円程度にしているところが多く、1ドル=100円になると減益を強いられるところが出てきます。特に、想定レートより1円円高になると100億円規模の減益要因になる三菱重工業、日立製作所などはきつい。

円高が進んでいくと、いまはインバウンドの訪日旅行客需要で潤っている内需系企業にも厳しいことになります。中国の景気が悪くなるうえ円高になれば、中国人観光客が激減しかねない。

マツモトキヨシHDなどのドラッグストア、三越伊勢丹HDなどの百貨店、資生堂などの化粧品メーカーは打撃が大きいでしょう」(財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏)