もう騙されない!医者が教える「トンデモ健康情報」の見抜き方 

注意すべき「因果関係」の罠
奥田 昌子 プロフィール

「わかりやすい説明」はたいていウソ

科学研究においてもっとも大切なのは、客観的で信頼できるデータをもとに、議論を繰り返し、批判を受け止めながら、一つ一つ確実に根拠を積み上げていく姿勢、不確かな部分が残っているのに気づいたら結論を出すのをひかえ、さらに研究を続ける姿勢です。

研究の過程で、たまたま都合のよいデータが得られたとしても、それは科学的な結論ではありません。

そのため、科学者、医学者は、誠実であればあるほど、「この点は証明されていますが、こういう場合はわかりません」とか、「現時点では、その可能性が大きいと思われます」のように、慎重な言い回しで長々と説明するのです。

 

これに対して、テレビの情報番組などで取り上げる健康情報はどうでしょう。効果の説明が、じつに単純明快ではありませんか?

独自に開発した画期的な製品や、みんなが待ちわびていた有効成分。理屈はわからなくても、すぱっとわかりやすく、白黒はっきりしています。

有名大学の教授がその製品をすすめているとか、○○学会で発表したと説明が流れることもあります。でも、それだけで信頼してはいけません。教授がメーカーと関係している可能性が否定できませんし、簡単な手続きで発表できる学会もあるからです。

実際の科学、医学はもっと泥くさいものです。とくに、因果関係の判断は一筋縄ではいきません。それらしいグラフを見せられると、イメージや思い込みをもとに、「これのせいで、こんなことが起きるんだ」と考えてしまいがちですが、因果関係は一つのグラフで証明できるようなものではないのです。

簡単なグラフを出して、いかにも科学らしい明快な説明をしていたら、たいてい罠があると思ってください。