開業医の知られざる真実…あなたのクリニック選び、それで大丈夫?

かしこい患者になるために(2)
杉田 玲夢 プロフィール

「紹介の質」の問題

クリニックの2つ目の役割、「他の病院への紹介」についてはどうでしょうか。

こんなケースを考えてみましょう。

「お腹がかなり痛くて、熱も出てきてるんです」

「これは盲腸ですね、手術が必要になりそうですね」

「どうしたらいいですか」

「近くに僕の知り合いのいい外科医の先生がいるから紹介しますね。そちらをすぐ受診してください」

「ありがとうございます」

このような流れをどう思いますか。先生の知り合いだから安心だ、と思う方がほとんどでしょう。

しかしよく考えてみると、外科医は世の中に何万人もいるのに対して、1人の開業医の知り合いの外科医なんてせいぜい数十名でしょう。その中で「いい先生」と言われても、どれぐらい経験を積んだ医師なのかまったくわかりません。別のクリニックに行ったら、また知り合いの、全然違う先生を紹介してくれる可能性もあります。

これが盲腸ならまだしも、例えば胃癌の疑いがあって手術を受ける病院を紹介してもらう、となったら……? 先生の知り合いというだけで、自分の命を預けられますか。

多くのクリニックでは、病院を紹介する際に、近くの大病院を紹介する、もしくは自分の出身医局のある大学病院を紹介する、というパターンが多いです。つまり、クリニックを選んだ時点で、その後入院する病院や手術を受ける先生まで、自動的に決まっているともいえます。

医師がたくさんいる大きな病院と違って、クリニックは院長である医師の性格や方針が色濃く出ます。院内の清潔感に気を配っている医師もいれば、外来の際の説明の丁寧さに気を配っている医師もいます。

どのクリニックや医師が自分に合うかは人それぞれですが、上記で述べたような、「医療の質」や「紹介の質」という本質的な部分で損をしないためにも、見極めるための目を養うことは重要です。そのための、クリニックの選び方はまた稿を改めてお伝えしましょう。

(つづく)

連載第1回:入院日数が10日も違う!? 知らないと損する「病院の選び方」はこちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54939