「私はもう終わり」人生を諦めはじめたエリート銀行員が急増中のワケ

特に、バブル採用組に顕著なようで…
浪川 攻 プロフィール

暗黙の使命

じつは、この中堅銀行員の勤務先では、営業現場の幹部たちに対して本業(取引先企業からの資金借入案件の獲得など)のほかに、暗黙事項として銀行員の受け入れ先開拓が使命として与えられている。

もちろん、「ウチの行員を受け入れてほしい」などと強要すれば、融資している立場から、借り手が謝絶できないような要求をしたとみなされかねない。独禁法上の優越的地位の濫用である。

したがって、この話は「なんとなく」持ち出すしかないが、近年、取引先の感触は決してよくないという。

そこで、昨年11月以降、銀行員のあいだで急速に広がってきたのが、転職サイトへの登録である。銀行に頼り切りになることには、やはり不安があるからこその現象だろう。

しかしいま、起きているのはそれだけではない。あるメガバンクの大物OBによれば、「最近、転職の相談にやってくるかつての部下が増えている」という。

 

相談に来るのは、本部に勤務している銀行の〝職場エリート〟で、年齢的には30歳代~40歳代前半だ。今回の「自然減」対象世代には該当しないはずなのに、転職を考えだしていることになる。

彼らも日頃、将来への漠然とした不安を感じていたものの、今回の人員削減策を受けて、「転職するなら若いうちに」という思いを強めたのだろう。銀行の職場では、確実に人員削減の余波が広がり続けている。