写真提供・本人

「精日(精神的日本人)」が急増中…中国若者の日本愛はここまで深い

「艦これ」で日本に惚れました

「艦これ」きっかけで軍服マニアに

3月末、ある中国人学生が日本の大学を卒業し、お祝いの会に出席する機会があった。父親は中国で有名な人物だが、差し障りがあるので明らかにはしない。

日本庭園が見事な都内の日本料理店に仕事を終えて普段着で駆けつけたところ、当の学生、Uさんは何と旧日本海軍の軍服姿で我々を待っていた。胸にはいくつもの勲章が掛けられていた。

「この軍服は、日本で注文したものです。海軍の帽子も(海軍兵学校のあった)江田島にある帽子屋に特注しました。勲章も、1つは偽物ですが、残りは本物で、ネットオークションで手に入れました」

中国から訪れたUさんの母親も和服姿で、まるで戦前の海軍若手将校の親子のようだった。ジーンズにシャツ姿の自分がむしろ日本人らしくなく、こんなことなら羽織袴でも着てくれば良かったと、恥ずかしい思いがした。

「なぜ軍服にはまったのか?」と聞くと彼は「最初は『艦これ』がきっかけでした。そこから、軍服、勲章、軍装関連書籍などを集めました」という。

艦これとは言うまでもなく、旧海軍の戦艦や航空母艦などの艦艇を女性キャラクターに擬人化した「艦娘(かんむす)」を集め、育成し戦うゲームで、中国などにも熱烈なファンがいるという。

「自分は基本的に海軍派ですが、陸軍も嫌いではありません。サバイバルゲーム用に三八式歩兵銃のエアガンを持っています」と、彼はLINEで三八式歩兵銃に銃剣を差し、日の丸の旗を付けた写真を送ってくれた。

最近、彼のように日本の軍服にはまる中国の若者が日本メディアでも紹介されるようになった。一部の過激な中国人の若者は、南京など日中戦争の戦争遺跡の前で旧日本軍の軍服を着て記念撮影、それがネットで批判を呼んだ。

こうした若者は「精日(精神的日本人)」だとして、中国の王毅外相が「中国人のクズ」と会見で吐き捨てるように批判するなど、大きな議論を呼んでいる。

Uさんも、自分は日本の軍装マニアだが、このような行為には賛成できないと語った。

U君の日本の勲章コレクション
 

共青団も『漫画、アニメはOK』

この「精日」の定義について、中国共産主義青年団(共青団)は微博で、「日本の漫画アニメが好きなのも『精日』? もちろん違う」というタイトルの見解を出している。

「『精日』つまり『精神的日本人』とは、日本軍国主義を崇拝し自民族に恨みを抱く、精神的に軍国主義の日本人と同一視する非日本国籍の人々だ。彼らは第2次大戦の日本軍服に陶酔し、日本軍の侵略遺跡で記念写真を撮り、抗日戦争の英雄を誹謗する。彼らは主に中国や韓国に存在し、低知識階層の若者が中心で、『日雑(日本雑種)』とも呼ばれる」

そして、共青団は「日本の漫画を見たり、日本料理を食べたり、優秀な日本文化を愛好する行為を、なぜ『精日』と言われるのかと聞く人がいる。共青団は、これは全く違う!とはっきり言おう。これは『精日』を全く取り違えた考えだ」

「日本の漫画を見たり、日本料理を食べたりするのは個人の合法的な権利で、正常な現象だ。『精日』は熱狂的な日本軍国主義の特徴を持ち、他国への興味を自分の国家や民族への冒とくや侮辱の上に築いている。これは『興味』や『愛好』の範囲を遥かに超えている」

「外国の優秀な文化を楽しむのは、自国を熱愛することを妨げるものではない。外国文化への興味や愛好は、国家や民族を侮辱する口実にしてはならない、ましてや人々の最低ライン(我慢の限界)に挑戦し、(そうした行為の)面目を取り繕う隠れ蓑にすることは許されない」――と述べている。

「優秀な日本文化」とわざわざ断るあたりは、日本文化が中国の大衆、特に都市部の中産階級や若者の間で広く受け入れられていることに配慮したのだろう。

だが「精日」を「日本の軍国主義に陶酔」云々と決めつけるのは、違うのではないかとの声が出ている。