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金正恩が訪中時、習近平に思わず漏らした「トランプへの本音」が判明

「あの男と対立したら…」

よく見ると、二人はまるで親子のように似ているではないか。5年余りにわたっていがみ合っていたのがウソのようにガッチリ握手。社会主義の独裁を貫く隣国の指導者同士は、何を密談したのか?

「できれば頻繁に会いたい」

まさに世界がアッと驚く電撃訪中だった。

3月26日から27日まで、金正恩委員長が北京を訪問した。'11年12月に、父・金正日総書記が急死し政権を引き継いで以降、北朝鮮を離れるのは初めてのことだ。かつ、外国の国家元首と会談するのも初体験だ。

迎え入れた習近平主席にとっても、国境を接する14ヵ国中、最後に面会したリーダーとなった。

26日夕刻、人民大会堂に金委員長を迎えた習主席は、ご機嫌だった。

 

「(3月17日に)私が国家主席と国家中央軍事委員会主席に再任された時、一番先に受け取ったのが、(金正恩)委員長同志からの祝電だったのだ。そのことに感謝したい。

今回の訪問は、特殊な時期であり、重大な意義を持つもので、高く評価している」

習近平主席が「特殊な時期」と言ったのは、二つのビッグイベントが控えていることを指す。

すなわち、4月27日に文在寅大統領と金正恩委員長の南北首脳会談が板門店で予定され、5月にはトランプ大統領と金委員長の米朝首脳会談が予定されている。

百戦練磨の習主席を相手に、金正恩委員長も、首脳会談デビューとは思えないほど、堂々と発言した。

「最近、中国は第19回共産党大会や全国人民代表大会など吉事が続き、習近平同志を核心的リーダーに推戴した。それで私は、両国の友好の伝統に照らして、祝福を述べに来たのだ。

また、朝鮮半島も最近、情勢が急速に前進し、少なからぬ重要な変化が生まれている。そのため習近平同志に、状況を直接お伝えしたい」

以後、両首脳が交わした会話は、大略以下の通りだった。

〈習:中朝の友誼の伝統を引き継いでいるのが、私と委員長同志だ。第一に、両国のリーダーの往来を行う。第二に、戦略的な意思疎通を十分に行う。第三に、平和的な発展を積極的に進めていく。第四に、両国民の友好的な往来を増やすことだ。中国の特色ある社会主義は、すでに新時代に入った。朝鮮の社会主義建設もまた、新たな時期に入った。両国が共同で努力していこうではないか。

金:習近平総書記の貴重な意見に私は、鼓舞され、啓発される。今回訪問したのは、中国の同志と会って、戦略的な対話を強化し、伝統的な友誼を深めたいからだ。できれば今後、二人で頻繁に会おうではないか。そして両党・両国の関係を、新たなレベルへと発展させていきたい。

習:私は注目しているが、委員長同志が指導する朝鮮の党と人民もまた、中国と同様、経済発展の成果を得るようになってきている。朝鮮半島情勢も、今年に入って、積極的な変化が出始めている。朝鮮側の努力に賛意を述べたい。朝鮮半島の問題は、非核化を実現する目標を堅持し、半島の平和と安定を維持し、対話と交渉を通した問題解決を図っていかねばならない。中国は引き続き、建設的な力を発揮していく。

金:わが国は緊張緩和のために、平和的な対話の方向に向かっている。金日成主席と金正日総書記の遺訓に照らして、朝鮮半島の非核化が実現するよう力を尽くしていく。そうしたことは、われわれの一貫した不変の立場なのだ。われわれは北南関係の和解に向けた北南首脳会談を行うことを決心した。また、朝米首脳会談にも同意した。もし南朝鮮(韓国)と米国が、われわれの努力を汲んでくれるのなら、平和的な雰囲気が醸成されるだろう。あくまでも一段一段、双方が同時に進んでいくならば、朝鮮半島の非核化問題は、解決に至れる〉

金委員長が、熱心にメモを取りながら習主席の話を聞いていた姿が印象的だった。

会談は1時間あまりで終了。習主席と金委員長は、互いに「自慢の美人妻」(彭麗媛夫人と李雪主夫人)を紹介しあい、歓迎晩餐会に移った。