上原浩治のピッチングが、野手から好かれる理由

松井秀喜の言葉を思い出す

投げっぷりの良さ

まさに「凱旋登板」そのものでした。メジャーリーグから10年ぶりに巨人に復帰した上原浩治投手は東京ドームでの、阪神相手の開幕2、3戦目に登板し、パーフェクトリリーフを演じました。

改めて感じたのは投げっぷりの良さです。昔の表現で恐縮ですが、“千切っては投げ、千切っては投げ”というスピード感あふれるマウンドでした。

上原投手が渡米する際、彼より6年前に海を渡り、ヤンキース入りしていた松井秀喜選手に、上原投手のピッチングについて伺ったことがあります。

松井選手は「上原は投げるテンポがいい。ああいう選手は野手に好かれる。特にメジャーリーグの野手は、リズムやテンポのいいピッチャーを好む。活躍すると思いますよ」と言いました。

 

上原投手がメジャーリーグで本領を発揮したのはリリーフに転向してからでした。レッドソックス時代の2013年には73試合に登板し、4勝2敗21セーブ、防御率1.09の好成績で名門のワールドシリーズ制覇に貢献しました。リーグチャンピオンシップでは1勝3セーブをあげ、MVPにも輝きました。

「投げっぷりのいいピッチャーは守りやすい」。こんな話を聞いたことがあります。言葉の主は中日や阪急で活躍した島谷金二さんです。サードで4度のゴールデングラブ賞に輝いています。

島谷さんの中日、阪急時代のチームメイトに松本幸行さんというサウスポーがいました。この人こそ“千切っては投げ、千切っては投げ”の代表格で、彼の投げた日は「試合が早く終わる」ことで有名でした。

といっても、単なる“異能派”ではありません。1974年には20勝をあげ、最多勝と最高勝率に輝き、中日の20年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。“巨人のV10を止めた男”としても有名です。