B判定でも不合格に…?「日東駒専」の難化が止まらないらしい

「定員抑制」のワナ
田中 圭太郎 プロフィール

東京23区の私立大学の定員を抑制

もう一つ、来年以降の私立大学の受験が難化する要因がある。

2月6日、政府は東京23区の大学の定員増加を抑えることを閣議決定した。東京23区に大学生が過度に集中しているため、首都圏の大学の定員増加を認めないことで、地方の大学を活性化するのが狙いだという。いわゆる「地方創生」の一環だ。

まだ国会で審議中だが、東京都は「理不尽な規制」「日本の大学の国際的地位の低下に繋がりかねない」と反発している。そもそも都心の大学は、いまでも首都圏の1都3県出身の学生が多くを占めている。早稲田大や慶応大では、首都圏出身の学生の割合が10年前は6割だったが、いまでは7割を超えている。

Photo by iStock

「いまの高校生は地元志向が強く、以前のようには地方から東京には進学していません。地方の学生が東京の大学を受ける割合はそもそも少ないのだから、首都圏の大学の定員増加が認められなければ、結局首都圏の受験生が併願校を増やすことになり、23区内の大学の難度がさらにあがるだけ。

首都圏の受験生も、地方の私立大学に進学する割合は少なく、『地方にいくなら浪人して次のチャンスを狙う方がよい』となり、結局地方の活性化には繋がらないでしょう」 (大学通信 安田賢治常務)

 

入学定員抑制を理由に、非常勤を雇い止め?

入学定員抑制の影響が出ているのは、受験生だけではない。定員が抑制されることを口実に、非常勤講師を雇い止めしようとしている大学がある。〝日東駒専〟の一つ、日本大学だ。

日本大学は「教学に関する全学的な基本方針の策定にあたって」とする通達を、2015年7月に学内に出している。通達では入学定員超過率の上限が18年度に1.1倍未満になることや、さらに補助金の交付基準が下げられると見込まれることから、「財政基盤の縮小により教育環境の脆弱化につながる可能性」があると指摘。授業科目数を2割削減することを打ち出した。

先の経営状況を見越して、人件費を抑制するための手を打つこと自体は、経営判断として悪いことではない。問題は、科目数を減らすと同時に、「専任教員が主体となった日本大学としての教育の質の担保」をうたって、専任教員の基準授業時間を6割増やすことにある。その結果、現在3600人あまりいる非常勤講師の担当授業が数字の上では全廃される可能性があり、、非常勤講師が雇い止めされることにつながるという。

専任教員の授業が増えると聞けば、いいことだと思う人もいるかもしれない。ところが、今年3月をもって英語の非常勤講師15人が雇い止めされることが決まった危機管理学部・スポーツ科学部では、「専任教員が代わりに英語の授業を担当する」といいながら、実は語学学校に授業を委託することが明らかになったという。専任教員は実質的には授業を観察するだけになるのではないか、とささやかれている。これが「教育の質の担保」と言えるだろうか。