1000円カットQBハウスの上場が「期待外れの幕開け」となった理由

投資家にとってどこが問題だったのか
加谷 珪一 プロフィール

投資家に対して明確な説明が必要

QBハウスの店舗は小規模で、出店コストもそれほど大きくない。それにもかかわらず、創業から20年以上経過して500店舗というのは展開のスピードがあまりにも遅い。

また何度も上場が噂されながら、それが実現せず、所有するファンドがコロコロと変わったことには、こうした事情が影響した可能性がある。

最初に同社を買収したのはオリックスだが、同社は当時、規制緩和路線の急先鋒として知られた企業であった。オリックスは売却理由を明らかにしなかったが、規制緩和が思ったように進まず、結果としてジャフコに手放したのだとすると話の辻褄は合う。

投資ファンドは過度なリスクを取れないので、LBOという手段を用いらざるを得ない。それがのれんと負債の増加につながり、最終的には一般投資家にとって魅力のない案件につながってしまう。

 

しかしながら、こうした事情が本当だとしても、キュービーネットホールディングスは上場した以上、投資家が納得する成長戦略を描く義務がある。

同社は基本的な出店戦略としてドミナント戦略(ある地域に集中して出店する方法)を掲げている。もしかすると各種規制の影響で、ドミナント戦略を採用せざるを得なかったのかもしれないが、国内での成長を続けていくためには、出店可能エリアにどれだけ出店できるのかが今後の成長のカギを握るはずだ。

このあたりについて明確に投資家に説明できなければ、株価の上値が重いという現状から脱却するのは容易ではないだろう。