「佐川氏の日程は1日で廃棄」情報公開請求でわかった衝撃の実態

もはや社会的悲劇と言っていい…
三木 由希子 プロフィール

行政文書より首相動静の方が詳しい

筆者が過去に情報公開請求した範囲では、首相や官房長官の日程はさすがに1日保存で廃棄となっておらず、2年前のものも存在していた。保存期間を確認したところ、2016年度分の首相日程は3年保存とされていることだけはわかった。

しかし、行政文書として残っているのはスカスカの日程表だ。新聞各紙に毎日のように掲載されている「首相動静」の方が詳しい。

筆者の手持ちの日程表に2015年5月14日のものがあるが、朝日新聞に掲載された同日の首相動静で確認できる予定で日程表に入っていないものが多い。

訪問客や党や政務、政府幹部の来訪などは、行政文書として残される日程表に載っていない。

安倍首相の日程表
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菅官房長官の日程表
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【午前】9時18分、官邸。19分、加藤勝信官房副長官。10時16分、秋元克広札幌市長、自民党の伊達忠一参院幹事長、橋本聖子参院議員ら。35分、高田稔久ニュージーランド兼クック兼サモア大使らによる就任あいさつ。49分、有村治子女性活躍担当相。内閣府の松山健士事務次官、武川恵子男女共同参画局長同席。11時56分、高村正彦自民党副総裁、北側一雄公明党副代表、岸田文雄外相、中谷元防衛相、菅義偉官房長官。
【午後】0時54分、国会。1時2分、衆院本会議。3時9分、官邸。4時21分、国家安全保障会議の9大臣会合。41分、臨時閣議。5時3分、教育再生実行会議。6時、記者会見。37分、公邸。
 

行政文書より、首相動静の方が詳しく日程が残っているのは、どう考えてもおかしい。

この首相の日程表は、内閣広報室が報道機関向けに配布しているもので、それ以外に日程を管理しているものがないかは、現在情報公開請求して確認中だ。

例えば、小池百合子東京都知事の週間日程予定表が筆者の手元にあるが、隙間なく予定が書かれている。この程度の日程表は何か残っていないとおかしいと思うが、果たしてどうなるだろうか。

小池都知事の週間日程予定表
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佐川前国税庁長官の日程表外1日保存だったというのは想定外だったが、日程表にこだわるのには理由がある。

首相や政務三役、政府幹部がどこへ行き、誰と会い、何をしたのかということは、政府活動を体現しているからだ。

政務や幹部は組織を代表する立場にあるわけだから、その活動を記録し長く保存することが、政府活動を記録して残す、権力へのアクセスを記録して説明責任を果たすことために不可欠という発想が本当は必要だが、まったくそうなっていない。

権力・権限を持つ者へのアクセスということからさらにいえば、首相官邸の入館記録も1日保存だ。これは加計学園問題の国会審議で明らかになった。