海外投資家の「アベ売り」で、あっという間に株安デフレの危機到来

好景気のはずだったのに…
週刊現代 プロフィール

5月に株価1万9000円

エコノミストの中原圭介氏が言う。

「アベノミクスの恩恵を受けたのは結局、東京の港区、中央区などに住んでいる富裕層。中でも、一番の代表はユニクロの柳井正氏でしょう。

日銀は毎年日本株を6兆円購入しているが、この恩恵を最も受けているのがユニクロを展開するファーストリテイリング(FR)の株。

FRの株価はアベノミクスが始まってから約2万円から4万円ほどへ倍増しており、大株主の柳井氏の資産もそれだけ増えたことになる。

かたや庶民は実質賃金が右肩下がりで、家計は苦しくなるばかり。政府はデフレ脱却が近いなどと嘯いていますが、地方のスーパーの経営者に聞くと『お客は安い商品を求める志向がどんどん強くなっている』というのが本音です。

確かにアベノミクスで株は上がったが、儲かったのは株を持っている人だけ。株を持つ余裕のない庶民に恩恵はなく、むしろ『持つ者と持たざる者』の格差が広がっただけです」

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しかも、そんな株高を牽引してきた日銀の金融緩和政策もいよいよ限界に近づいてきた。

「日銀が行っている金融緩和策は中央銀行による財政赤字の補填で、本来は『禁じ手』ですが、リーマン・ショック後に米欧などが同じような緩和政策をやっていたことから見逃されてきた。

しかし、いまや米欧はそんな金融緩和策からの脱却を始めた。日銀だけがこのまま禁じ手を続けていれば日本は信頼を失い、円売りに発展しかねない。

一方、日銀としては金融緩和策をやめれば株価も下がるうえ、みずからの失政を認めることになり、やめるにやめられない」(ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表の菊池真氏)

 

かくして、アベノミクスは逃げ場のない袋小路に追い込まれた。そんな日本政府の苦境を見抜いた海外投資家たちが我先にと「アベ売り」を加速させているのである。

「直近5週間のデータを見ると、海外投資家は約1.5兆円も日本株を売り越しています。ここからアベノミクスへの信認が本格的に崩れていけば、さらに売りが加速していく。

日本株は5月にも1万9000円近くまで暴落する可能性が出てきた」(元スイス銀行ディーラーでマーケットアナリストの豊島逸夫氏)

このままいけば日本経済はあっという間に、「株安デフレ経済」へ逆戻りする。もうだれもこの流れをとめられない。

「週刊現代」2018年4月7日号より