海外投資家の「アベ売り」で、あっという間に株安デフレの危機到来

好景気のはずだったのに…
週刊現代 プロフィール

GDPと消費の「改ざん問題」

安倍政権はこうした経済の実態については言及せずに自画自賛を繰り返してきたわけだが、じつは経済の実態をよりよく見せるための「印象操作」も実行している。

「たとえば、安倍政権は'16年にGDPの算出方法を変更していますが、これによってアベノミクスが始まった'13年以降の名目GDPが大きくかさ上げされているんです。

実際、安倍政権は'16年度に過去最高の名目GDPを達成したと主張していますが、じつは変更前の算出方法で計算すると'97年度が最高水準になる。

また、安倍政権はかつて『賃上げ2%達成、3年連続』とアピールしていましたが、これも連合が集計した一部企業の労働者だけの話を誇張したもの。私が単純計算してみたところ、2%賃上げを達成できたのは日本の雇用者全体の5%ほどでしかなかった」『アベノミクスによろしく』著者で弁護士の明石順平氏)

こうした森友問題さながらの「アベノミクスの改ざん」はほかにもある。同志社大学商学部教授の服部茂幸氏が指摘する。

「日本のGDPの6割を占める消費については、これまで総務省が出す『家計調査』を中心に分析がなされてきました。しかし、アベノミクス下の日本経済の実態を家計調査で分析すると、可処分所得が低下し、消費が停滞していることが明らかになってしまう。

すると、安倍政権は家計調査はサンプルが偏っていて実態を反映していないとの批判を始めて、'16年からは日銀が新たに『消費活動指数』なる指標を作ったのです。

当時、日銀幹部はその消費活動指数で見た新たなデータから、消費は『底堅く推移している』などと語っていました。しかし、実際にはその消費活動指数の数値も停滞が続いていました。『停滞』を『底堅い』と言い換えていたのです」

 

つまり、「改ざん」しても覆い隠せなくなるほどに日本経済は足元から腐ってきた……。

そもそもアベノミクスは、異次元の金融緩和政策による円安誘導で大企業を潤わせることで、次にその恩恵が取引先である中小企業、零細企業にめぐっていき、やがて全国民が豊かになるという「トリクルダウン説」を唱えてきた。

しかし、現実には大企業は円安で増えた利益を内部留保で貯めこんだり、配当として株主に還元するだけで、取引先にも従業員にもその恩恵は一滴もこぼれ落ちてこない。「実感なき景気回復」といわれる所以である。