海外投資家の「アベ売り」で、あっという間に株安デフレの危機到来

好景気のはずだったのに…
週刊現代 プロフィール

内閣府の凄惨なレポート

いま経済政策担当者たちの間で話題になっているのが、内閣府が3月8日に発表した「景気ウォッチャー調査」。

これは北海道、東北、北関東、南関東、甲信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の12地域を対象に、各種企業に聞き取り調査を実施するもの。

直近の調査ではそうした企業の生の声が詳細にレポートされているのだが、目を覆いたくなる惨状がこれでもかと書かれているのだ。以下、一部を紹介しよう。

「景気に対する明るいニュースがなく、予約状況が上向く兆しもない」(東北の観光型旅館)

「1月の売上は過去3年間で1番悪かった。今月の受注は(中略)12月の受注の7割程度で、今年に入ってがくっと、目を見張るような落ち方をしている」(北関東の電気機械器具製造業)

「製造業では、円高に対する不安感が大きくなってきている。今後の受注減を想定して、現在の良好な受注をパート、契約、派遣社員で切り抜ける傾向があり、応募者の技術、技能不足から受注を絞る企業も出始めている」(甲信越の民間職業紹介機関)……。

 

これこそが、「アベノミクス5年」の偽らざる姿。日本経済のリアルなのである。

「アベノミクスでは金融政策、財政政策、成長戦略の3本の矢を柱に進めてきましたが、5年が経過したいま、経済成長率は目標としていた2%の半分程度の1%程度、物価上昇率も目標の2%どころか1%にも届いていません。

安倍政権は企業に3%の賃上げを求めていますが、成長率が1%なので無理に決まっている。

確かに外国人観光客数などは目標だった年間2000万人を超えて増えていますが、それも経済全体を押し上げるほどにはなっていない。アベノミクスはマクロ的には失敗している、と言っていい」(日本総研副理事長の湯元健治氏)

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それでも安倍政権は「企業収益は48.5兆円から75兆円へ26.5兆円増えた」などとアピールしているが、これもごく一部の大企業の成果が誇大広告されているだけ。

日本企業全体の99.7%を占める中小企業は、好景気とはほど遠い苦境にあえいでいる。新聞やテレビはほとんど報じていないが、全国商工会連合会がこの2月に発表した「小規模企業景気動向調査」では次のような現場の苦境ぶりが明かされている。

「受注量制限をして売上が頭打ち」(製造業)、「買い控え起きており(中略)厳しい」(小売業)、「人手不足と燃料費の上昇が収益圧迫を招き、また、価格改定が出来ず厳しい」(サービス業)……。