政治記者50人に聞いた「安倍政権、いつまでもつか」の答え

カギは麻生財務大臣の去就にあり
週刊現代 プロフィール

麻生は「辞めたくても辞められない」

3月中旬、財務省2階の大臣室を、菅が訪れた。

「もともと昭恵さんが悪いんだろう」

麻生のダミ声だ。絶叫に近い大声だったため、廊下にまで口論が聞こえてきたという。消費税への軽減税率導入の是非など、さまざまな点で対立してきた2人が、森友問題の幕引きを巡って意見が食い違った。もう菅のコントロールは利かない。

ある与党幹部が言う。

「麻生さんが『書き換えは3月11日に知った』と発言した後で、菅さんは『5日から6日にかけて国交省から書き換え前の文書の存在を知らされていた』と明らかにした。両者のあいだでは、事前のすり合わせすら不可能な状況に陥っている」

 

実は、書き換えを知った翌12日の時点で、麻生は財務大臣を最終的に辞任することを決断していた。幕引きを自分がはかることで、安倍に恩を売ろうと考えたのだとみられる。ところが――。

「菅さんは麻生さんに『辞任のタイミングではない。辞められたら困ります』と反対した。安倍総理も2度にわたって極秘に麻生さんと会談し、『辞めないでほしい』と懇願している。

麻生さんが辞任すれば総理の責任が追及され、政権が持たなくなるというのが、菅さんの判断だった」(同)

今回のアンケートでも、この安倍と菅の状況を読んだ回答がいくつかある。

〈麻生の辞任があれば、政権内のバランスは崩れる〉(産経・40代・男)

〈麻生が退任すれば、安倍総理へ矛先が向かい、総崩れになる可能性が高まる〉(共同・40代・男)

公明党幹部が言う。

「菅さんは時間稼ぎを狙っている。佐川氏の証人喚問では新事実が出ないから、いずれ世論はおさまるとみている」

それで済むはずもない。

もう金正恩に会うしかない

いまや安倍の頼みの綱は、ただの一つしかない。

〈南北会談、米朝会談と、日本が外交で取り残されるなか、北朝鮮関連でなんらかの緊迫状況が起こり、その対応に一気に目がいけば、安倍が救われる〉(毎日・40代・男)

外交。安倍がもっとも得意としてきた分野のひとつだ。その「神風」効果に頼るほかないのだ。

〈昨年は窮地に陥るたび、北朝鮮のミサイル問題への対応で危機を脱してきたが、今回は金正恩の暴走は考えにくいから、窮地を脱する「切り札」がない〉(北海道・40代・男)という声もあるが、官邸は懸命に外交スケジュールを組み立てている。

「4月訪米でのトランプ会談が、まずは最大のチャンスだ。GWには、40年ぶりの首相訪問となるイランをはじめとした中東歴訪を計画し、帰国後すぐ東京で日中韓首脳会談を設定する。外交で一定の主導権を握れば、森友問題の目くらましにはなる」(官邸幹部)

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さらに、秘書官の今井と内閣官房副長官の杉田和博が、外務省を経由して躍起になっているのが、失地挽回のための「ウルトラC」である。

「南北会談と米朝会談の後、6月下旬には日朝首脳会談を設定し、拉致被害者の帰還を金正恩に約束させる。ここまでこぎ着けられれば、支持率は必ず持ち直す」(同)

安倍の最大の「願望」である。その頃、国会会期が終了し、森友問題の追及も収束すれば――。

〈支持率を下げても戻してきた過去がある。今回の森友問題で、直接の総理の関与の証拠があるわけでもないから、会期さえ終われば、支持率は戻る〉(毎日・40代・男)

かくして、今までのシナリオ通り、安倍が三選される――そう考える記者が、50人中16人(32%)いるのも事実なのだ。

〈通常ならば、『内閣支持率が下がれば選挙に勝てなくなる』と、総理への辞任圧力がかかるものだが、今年は国政選挙がないうえ、野党は分裂状況で非常に弱い。そのため、安倍総理が地位にしがみつくことが可能になる〉(日経・30代・男)