「年金入力ミス」の責任を業者に押し付け…政府機関のやり口を告発!

まるで恫喝まがいの実態も

コストカットに汲々とする理由

前出の業界団体JDEAも、このような実態をある程度把握している。

「民間企業からの受注の場合、こうしたトラブルはまず発生しません。民間企業にとっては、正確なデータができなければ事業の成否にかかわりますから。ところが官公庁の場合は『間違い』を認めない。間違っていたら、それは業者のせいにする。ですから健全な入力業者ほど、取引先を民間にシフトしているのが実情です」

データ入力業者にとって、いまや「お役所」は鬼門というわけだ。そのうち最も「危ない」のは政府の外郭機関だという。

「彼らは上(所管省庁)しか見ていないので、『コストを削減した』というのがいちばんの手柄になる。親元の威を借りて、値段を叩くだけ叩くのです」(前出の業者)

 

今回問題になった、年金機構の一連の不祥事の原因についても、「2007年に発覚した、いわゆる『消えた年金事件』の事後処理で、年金機構は財務省に大きな借りを作った。それ以降、業者への発注価格をできるだけ抑えることがミッションになった」との見方が霞が関には流れている。

まっとうなデータ入力業者は、本稿で解説したようなシステム構築やセキュリティ整備に少なからぬ費用を投入している。データ作成を発注する側の官公庁が、コストカットばかり追求して業者と共存する意識を持たないと、最後に割を食うのは我々国民である。