「年金入力ミス」の責任を業者に押し付け…政府機関のやり口を告発!

まるで恫喝まがいの実態も

ヒドすぎる「下請けいじめ」

別の業者が指摘したのは、年金機構が受託業者へ無理難題を押し付けるーーもっと忌憚のない言い方をすれば、立場を利用した「下請けいじめ」を行うことが常態化しているのではないか、という見方だ。

政府機関との取引がある、某データ入力会社の営業担当者が言う。

「数年前、ある国の機関からデータクリーニングの仕事を受けたんです。最初の話では、クリーニング対象のデータのエラー率は1万分の3(精度99.97)程度ということでした」

1万分の3というエラー率は、業界団体である日本データ・エントリ協会(JDEA)がかつて示していた、データの品質目標だ。この政府機関は古い目標に基づいていったんデータを作ったのだが、これを最新の品質目標である「エラー率10万分の1(精度99.999)以下」の精度まで高めてほしい、という要求だった。

ところがフタを開けてみると、その元データのエラー率は1000分の3(300件に1件=精度99.7)以上で、聞かされていた条件より30倍も悪かった。これでは当然、システムも必要な人員もまるっきり見直さなければどうしようもない。

「これではムリだ、と契約の見直しを求めたのですが、向こうは『契約書には、そんなことは書いていない。こちらはあくまで目標値を示しただけだ。契約を破棄すると言うなら、違約金を請求する』と言ってきたのです」

 

この業者のチェックが甘かったといえばそれきりだが、この案件の営業から契約までを担当した役員は、「まさかお役所がそんな詐欺まがいのことをするとは、夢にも考えていませんでしたから」と訴える。

結局同社は、そのプロジェクトを引き受けざるを得なかった。案の定、大赤字に終わり「その後、その政府機関とは付き合っていない」そうだ。

役所が因縁をつけてくるなんて

さらには、こんなヒドい話もある。情報提供元の業務に支障がないよう具体名は伏せるが、ある政府機関の案件で、「恫喝まがい」の行為を受けたというのだ。

「落札後に契約を締結する段になって、その機関の職員十数名に囲まれました。彼らはクチャクチャとガムを噛みながら、『間違いなく仕事ができるんでしょうね』『1件たりともミスは許しませんよ』『いまハンコを押すと、あとで違約金が発生するかもしれませんが、いいですか?』などと口々に言うんです。

あんまりだと思い、その場で社長に電話し、事情を説明しました。結局、これでは後で面倒なことになると判断して、弊社は契約を辞退することにしました。

これはどうやら、私たちにその仕事を辞退させて、機関OBが関与する入力業者に回したい、という背景があったようです」

一般競争入札では、業者側に「納品後の経費査定」という関門が課される。経費が適正な用途で使われたか、架空取引はないかなど、報告書に領収書を添えて提出するだけでなく、会計担当官のヒアリングを受ける必要もある。

その際、役所側から「これは認められません」と言われたら、いくら反論してもまず認められない。「全額お支払いできなくなりますよ」などと言われれば、業者は沈黙せざるを得ない。「後で面倒なことになる」とは、これを指しているのだろう。

受注している別案件の支払いストップを匂わせて法外な値引きを要求されたり、「受け答えの態度が悪い」「言葉遣いに気をつけろ」などと因縁をつけられることも珍しくないという。こうした悪習だけは、「前例主義」を忠実に貫いているのだろうか。