「患者の問診票」実際にあった珍回答を集めてみた

覆面ドクターのないしょ話 第10回
佐々木 次郎 プロフィール

ああ、そういう意味なんですか…

気を取り直して、次の患者さん。ちょっと柄の悪い24歳の男性がケガして来院です。

Q どのような症状?
A カマほられた

この患者さんは、隣の部屋でまず診察を受けてもらいました。担当はこちらも若い研修医のA先生。このA先生、問診票を見て、先入観に支配されていたようです。

「今はどこが痛みますか?」
「首痛ぇー。先生、診断書もよろしくね」
「首……ですか? どのようにやられたんですか?」
「俺が止まってたら、あの野郎が後ろからズドンと」

「やっぱり後ろからですよね……」
「痛ぇんだよ。早く何とかしてくれよ」
「首の他に痛いところがありますよね?」
「今んとこ首だけかな」
「そんなことないでしょう? だって後ろからズコンとやられたんだから」
「ズコンというよりズドンかな。スゲェ音したよ」

「ちょっとおじぎしてください。腰はどうです?」
「何ともねぇよ」
「じゃ、もっと下のお尻のあたりは?」
「どこ触ってんだよ! 首が痛ぇって言ってんだろ!」
「そんなはずはないでしょう? はっきり言いますよ。肛門はどうなんです? 恥ずかしいのはわかりますが、治療のためにも、あなたもはっきり言ってくれないと。診断書必要なんでしょう?」

ここで外来のベテラン看護師さんが助け舟。

「A先生。この方、そっちじゃなくて、交通事故で追突されて、カマほられたんです」
「えっ? カマほられたってそういう意味なんですか? 僕てっきり、後ろからズコンと……」
「A先生、その擬音やめて。ズドンだって言ってるじゃない」

さて、問診票には、妊娠についても質問がある。一般に次のように書かれている。

Q 女性の方に質問します。妊娠していますか?
A はい( )いいえ( )わからない( )

50代の男性の問診票にはこう書かれていた。

Q 女性の方に質問します。妊娠していますか?
A はい( )いいえ( )わからない(○)

こういうことか?(photo by istock)

男性なのに、この質問に答えてしまったんですね。それにしても、なぜ「はい(○)」でも「いいえ(○)」でもなく、「わからない(○)」に〇を? なぜ!?

あなたに何があったんですか!?