塾に行かずにハーバード合格させた「最強の母」が説く教育の極意

家庭教育で伸ばせる「5つの力」
廣津留 真理 プロフィール

5教科だけでいい、は間違い

⑤ マルチタスク力
  
誤解があってはいけないのですが、「マルチタスク」といっても、聖徳太子が持っていたといわれる同時に複数の人の話に耳を傾ける、というような能力をいっているわけではありません

私が知っているハーバード生たちは、みんな時間管理が上手です。ハーバード大学への入学が許されるような学生になるためには、小さいときから5教科以外に音楽やスポーツなどの分野で自分の得意を伸ばしたり、ボランティアやインターンシップといった課外活動を積極的に行ったりすることが必要となります。やるべきタスクは膨大ですから、時間管理が上手でなかったら、とてもハーバード大学には合格できないのです。

5教科だけをやっていればいい、という時代ではないのは、日本の子どもたちにとっても同じです。これは何もハーバード大学に入るためではなく、国境を越えてすべてが一瞬でつながるグローバル社会にコミットするためのキーとなるスキル。限られた時間を管理し、瞬時に優先順位をつけてタスクをこなす能力は、「脳内整理力」といってもいいでしょう。あるいは自らを客観的に俯瞰して観察できる「メタ認知能力」ということもできます。

 

家庭教育は準備が10割

義務教育の基礎となる5教科は学校に任せておけばOK。家庭教育の目標は、自己肯定感、グローバルスタンダードの英語力、グリット、コミュニケーション力、マルチタスク力の5条件を養うこと。そこに、家庭が持っている時間、お金、場所といった資源(アセット)を集中投下してください。

5教科には教科書という頼れるテキストがありますが、家庭教育には「こうやっておけば安心」という教科書はありません。けれど家庭教育は「準備が10割」。環境作りの準備さえしておけば、親は、子どもの横でニコニコ見守っているだけでいいのです。あとは子どもが自らやるようになっていきます。

新しい家庭教育に取り組む前に、まずはお母さん、お父さんにしていただきたい準備があります。それは“我が家のミッション”を書き出すこと。どんな企業もホームページを見てみると「MISSION」「企業理念」が掲げてありますね。その家庭版です。

家庭=一企業と考えると、そのメンバーである家族一丸となって取り組むミッションは、目先のことではなく、未来を見据えた大きなものになるはずです。たとえば我が家=廣津留家のミッションは「グローバル時代に貢献できる子どもを育てる」。みなさんもぜひ考えてみてください。

失敗は笑い飛ばすことが大切

「どうしてこんなこともできないの?」「どうして机に向かってくれないの?」「どうしてこんな成績なの?」と問い詰めてしまう親御さんがいらっしゃいます。お母さん、お父さんがイライラして心に余裕をなくしてしまっていたら、お子さんは萎縮して学ぶどころではなくなります。

家庭教育の前提は、「何でも発言できる」というリラックスした雰囲気。お母さん、お父さんがキリキリしてしかめっ面になっていたら、このミッションに立ち戻ってみてください。この大きなミッションに比べたら、たとえばテストの点数が悪かったことなんて小さなことと笑い飛ばせるはずです。

繰り返しになりますが、すべてのベースとなるのは、子どもへの100%の「アンコンディショナル・ラブ」と「フル・アテンション」。我が子の可能性を信じる気持ち、そして、失敗を笑い飛ばせるユーモア感覚です。さあ、眉間にシワを寄せず、家で一緒に楽しく学ぶことを考え始めましょう。

次の記事では、これらの5つの力を伸ばすための家庭教育について、具体的にお伝えしていきたいと思います。

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